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06




原田さんの提案に、皆目が点になった。…私と一緒に、いる?それは、一日中共に過ごすという事だろうか…?私も皆も何も言えずにいると、土方さんが眉間に皺を寄せながら、私達が皆思っていることを代弁するかのように原田さんに問う。



「原田、どういう意味だ?」

「あー、言っちゃあ悪いが、土方さん。あんた、その状態じゃ何もできねぇじゃねぇか。だから、斎藤が言うように今日は休んだ方がいいと思うんだが…どうしても働きてぇってんなら、千鶴の手伝いをすりゃあいいんじゃねぇかと思ってな」

「へぇー、左之さんにしちゃあよく考えてんじゃん!」

「まあな」



……え、そんな事してたら「休暇」にならないんじゃ…?
そう思い、私は慌てて土方さんに向かって、「だ、駄目ですよ!せっかくお休みになられるのならゆっくりして頂かないと!」と言うと、沖田さんがその通りだと言わんばかりに頷いた。

…沖田さんが土方さんを労るなんて、珍しい。と思った矢先、沖田さんは言った



「そうですよ土方さん。千鶴ちゃんを独り占めしようだなんて、図々しいにも程があるでしょ」

『はい!?お、沖田さん!?』



何を言い出すんだ!

"そうですよ"って…私何も言ってないんですけど…!

沖田さんの仰天発言を聞いて、一瞬、場が静まった。しかしそれはほんの少しだけで、すぐに笑いが広まった。何が可笑しいのだろうか…。原田さんはお腹を抱えて笑いながら言う。



「ばーか!総司、こんな小せぇ土方さんに何が出来るってんだよ?そりゃあ俺だって土方さんと千鶴をニ人っきりなんかにしたくはねぇけど…今の土方さんは手ぇ出したくても出せねぇだろ!」

『………』

「さ、左之さんその先は…!」

「何てったって、今はあっちも小さ「原田ぁぁ!!!」



…原田さんが何を言おうとしていたのかは私には分からなかった。この会話の後、原田さんは近藤さんと顔を真っ赤にして怒っている土方さんに一刻程お説教を食らい、挙げ句の果てに島原出入り禁止令が出されていたのだった。






(…斎藤さん)
(なんだ、千鶴)
(原田さんは何を言おうとしてたんですか?)
(…………)
(斎藤さん?)
(……知らない方があんたの為だと思うが。)
(あ、じゃあいいです)



20100531

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