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困った。物凄く困った!
今、幹部の皆さんが集まった広間には微妙な空気が流れている。その原因は、そう。近藤さんの側にピッタリくっ付いて離れない、小さくなった沖田さんだ。
まさか、土方さんの次に小さくなる人が出て、容姿だけでなく思考も幼くなるなんて誰も予想していなかった為か、土方さんの時よりも皆驚いた様子だった。
「……どうする、近藤さん」
「ど、どうと言われてもだな…」
「何故かはわからねぇが、思考は十数年前のものらしくて、総司は近藤さんに懐いてんだ。…俺は至極嫌われてるしな。」
「俺らとか千鶴の事もわかんねぇみてぇだから警戒してるしよー。」
『………。』
…正直言うと、さっきのあれは少し傷ついた。
知らない、と即答されたことが一番に胸にグサリと突き刺さり、女のくせに袴…と言われた事が二番目に刺さった。男装しているつもりなのに、幼い子供にまで瞬時に見抜かれるなんて…大丈夫なのだろうか…。
はは、と軽く涙を浮かべながら自嘲し食後のお茶を出していた時、近藤さんは困ったように頭を捻らせた。
「う、む…しかしだな…。いつもなら俺が見ていても構わないのだが、今日は会津藩の方に所用で行かなければならないんだよ…」
「ああ、そういえば近藤さんは用事が入ってたんだっけな…。そうなると総司は連れてけねぇな」
「……こんどうさん、ひじかたさん、」
「む、な、なんだ?」
「なんだ総司」
「ぼく、」
小さい沖田さんは立ち上がり、タタッと私の方に駆けてきた。それから、お茶を配り終わって部屋の隅で正座をしていた私の目の前で止まり、ニコッと可愛らしい笑顔を見せた。
……ほ、ホントに可愛い…!!こんな可愛い笑顔が大きくなったら、あんな意地悪な笑顔になるなんて考えられない…。なんて思った次の瞬間、ぎゅっという圧迫感が私の腹部を襲った。
驚いて下に顔を向けると、沖田さんが私の腹部に目一杯腕を回していた。
(私、沖田さんに包容されてる…!!)
「「「!!?」」」
『お、沖田さん!?』
「ぼく、ちづるといっしょにいるからへいきだよ」
20100713
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