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バタバタと数人が駆けてくる音が聞こえ、ああ、千鶴が呼んで来てくれたんだなと思った瞬間に、私の視界は暗闇に包まれた──…。








「ぐぁぁああッ!!」

「山南さん!!」

「!そこに倒れてんのは…」

「クソッ!千鶴、沙樹を他の部屋に運んでおけ!」

「は、はい!」








* * *









──…幼い少女の瞳に写るのは、赤々しく燃え盛る家。小さな幸せに囲まれて、ひっそりと暮らしていたのに、少女の願いも虚しく山奥にあった少女の家は、翌日、跡形もなく消え去った。母と父も、共に…。



“  ”が
少女の小さな幸せと
家族を奪った。


(………許さない)

(……………許さない!)










『………っ!!』

「……起きたか」




目を覚ますと、そこには神妙な面持ちの土方副長がいた。私は何故か布団の中にいる。私は不思議に思い、先ほど何があったのかを思い出そうと頭を捻った。首もとに残る微かな痛み…。…ああ、そうだ。私は山南総長と…

私は、布団から出てきちんと土方副長の前に座り直し、深く頭を下げた。




『…申し訳、ありません…っ…私、総長を止められませんでした…』

「…気にすんじゃねぇよ。山南さんが悩んでたのは皆知ってたんだ。誰もお前を責めたりはしねぇよ。」

『……ありがとうございます』

「ああ。…それよりだ。どうしてお前があの場にいたのか、説明してもらおうか」




そう尋ねる副長の声は低く、瞳はとても冷たかった。



20100624

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あきゅろす。
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