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キス一回で許してやる(清瞬)



 まずい。
 非常に、まずい。



 「キ〜ヨ〜〜ハピバ〜〜!!
 ポヘラっとプレゼントだよ〜」
 「うぉ、ゴロー!抱き着くンじゃ
 ネェ!気色ワリィ!!」



 そうだ。
 今日は。



 「HAHA、見ろ清春!!!この
 PerfectでBeautifulなPresentを!!」
 「……。つ〜か、オマエ、チェックの
 仏像ってドォ〜コに飾ンダヨ。」



 この猿の。
 仙道清春の、誕生日。



 「清春〜俺からもプレゼントだ。
 うまいぞ〜この煮干し!」
 「猫のエサじゃねぇかヨ!!」



 ツアーと、新曲作りと講師とで、
 すっかり忘れていた。



 「……ん、清春。」
 「クケ〜トゲ〜〜〜!!」
 「お?ナァンダ?マダラ。オオ!!
 新しいグッズ詰め合わせか〜〜」
 「……試したら……結果教えて……」
 「ちょっと!ミズキ!!キヨに
 何渡してんのさ!!」



 とは言え、
 そんな事を言ったら最後。
 いたずらの餌食になるのは
 目に見えている。



 「あら、皆さん集まってどうされ
 たんですか?」
 「あ、センセチャン。」
 「今日は清春のBirthdayだ。」
 「……みんなで、お祝い。」
 「ク〜ケ〜」



 はっ、そうだ。
 彼女は誕生日だと知らないはず
 故にプレゼントは用意してない。
 ならそれに便乗して……



 「調度良かった!仙道先生、
 これ、私からのプレゼントです。」
 「あ〜?ナァンでブチャがオレ様の
 誕生日知ってやがンだ?」
 「あ、教えたの俺。」
 「えぇ、草薙先生から昨日お聞きして
 慌てて作ったクッキーなんですけど…」



 草薙……
 お前の面倒見の良さを今は恨むぞ。
 が、逆にこれはチャンスだ。
 あの猿が先生のクッキーに気を取ら
 れてる間に何か調達してこよう。
 今の隙に……



 「…ドォ〜コ行くんだ?
 ナ〜ナチャン?」
 「っ!!!せ、仙道、
 お前、いつの間に…」
 「ア?何々、プレゼントをこれから
 とりにコイ?ショウがね〜ナァ〜」
 「だ、誰もそんな事は言ってな…」
 「ジャア〜な、おつかれ〜〜」



 「…捕まったな、瞬。」
 「ああ、捕まったな。」
 「でも……ある意味、プレゼント…?」
 「クッケトゲ〜」
 「??七瀬先生がですか?」
 「…センセチャン、わかってない割に
 大胆発言だね。」



 で。


 「何故お前の部屋に連れて来られて
 るんだ、俺は。」
 「ン〜ナナチャンからァプレゼント
 モラう為?」
 「っ…そ、それは、だな…」
 「ソォレェは?」



 絶体絶命。
 万事休す。
 もうごまかしようがない。



 「……すまない。用意してない。」
 「キシシッ!ヤァ〜ット言いやがった
 な。最初から言えってんダ。」



 ばれていたのか。
 それはそれで何だか
 すまない気分になる。



 「で〜?忘れたってンだからァ?
 分かってンだろうな。」
 「う、わ、わかってる明日用意する…」
 「ブァ〜カ、そうじゃネェダロ!」



 何がだ。
 訳が解らん。
 何だ?近付いて来て。
 耳に息をかけるな
 くすぐったいだろ。



 「ダァカラ?」



 「        。」



 「なっ!!!!!」
 「イイネ〜その顔もプレゼントな。」
 「ばっ………な、な、何を…」
 「だって〜?オレ様お前から
 サレタ事ないぜ〜?」
 「そう…だった、か?」
 「そうそう〜5年以上ツキアッテル
 恋人にしちゃ冷クネ?」



 ホラ、と楽しそうな清春の顔。
 忘れなければ良かったのか。
 忘れた為の自業自得か。
 どっちにしろ同じ結末になっていた
 気もするが、
 今日一日は目の前の奴にいつも以上に
 振り回されそうだ。



 
   

 『んで、お前から抱いてって言え。』
 『ふ、ふざけるな!!!!』


初清瞬。
誕生日5月なんだけどね!!(笑)
多分忘れるだろうって事で(…)


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