★Ar:series/.#story_xE rre du w.h.h. mea/.



わたしは、ダイバーズセラピをしている。
場所はパスタリアの。本当はクローシェが大鐘堂にいるし、パスタリアの方が制限厳しいから…ラクシャクまで行こうかなって思ったんだけど、ラクシャクには行きたくなかった。ラクシャクにはルカさんがいる。2つ年上で彼女もカリスマセラピストって言われてるくらいの有名人。勿論ラクシャクで頑張れば得られるものも多いだろうし、ルカさんはわたしにとってのいい刺激になるとも思った。だけど、彼女に1度だけ会った事があるのだけど、その時に合った視線が怖くて。なにも睨んではいないし、寧ろ優しそうな印象をもったけれど、その瞳の奥が怖かった。わたしだけでなくて誰に対しても彼女と相手の間に壊す事は不可能な壁をつくっている。
凄く、よくわかる。わたしだって伊達にセラピストやってませんよ。そういうのもあって、ラクシャクはやめた。それにパスタリアに不満はないし。

本名を明かしてクローシェの妹と認識されるのは嫌だし、何よりクローシェに迷惑がかかる。(本当は自分の為なのかもしれない、けど)だから、彌桜という名前は伏せて、真ん中の『リッタ』を職場の名前として使っている。それでもわたしがデビューしてからずっと通ってくれているお客さんにはわたしがクローシェの妹だとバレバレなのだけど。皆、それを秘密にしてくれる。口止めするためなら、多少嫌なことをされても構わないと思っている。自分の体を犠牲にするなんて軽いことだと思う。


「…セ、セクハラ!?」
「なんか謳っている途中とかに…うん。ほら、集中しなきゃいけないから上手く逃げられなくって…」
「それは困ったな。いつもなんだろ?」
「そう。まあ慣れてしまえばいいんだとも思うんだけどね」
「いや、駄目だろう!そのうちもっと酷くなるから…」


思い切ってクロアに相談をしてみた。ダイブって基本的にそっちの世界でダメージを受けても現実世界への肉体的ダメージは無いんだけど(例外あり)、何故かわたしは…傷を負ったらそれがそのまま引き継がれる。だからちょっとヤバイ。そのおかげでわたしがセラピのサービスでやっている詩の効果がリアルになるのだけれど…。


「…彌桜、お金に困っている訳じゃないんだろ。辛いならやめればいいんじゃないか?」
「わたしはお金の為に働いているんじゃない…し…それに、オーナーに相談したら一気に広まっちゃってその話が…」
「皆、反対したの、か」
「うん」


そこでしばらく会話が止まってしまった。クロアは真剣に考えてくれてる。なんだか知らないうちにわたしはクロアに深く深く惹かれてしまっているのではないかと思った。わたしの事でそんなに悩まないでほしい、だけど、もっともっとわたしのことを想ってほしい、わたしの事だけ考えてくれてたらいい、そういう濁った色の願いがある…気がする。


「く、クロア…」
「…あ、あぁ、どうしたんだ」
「クロアも、わたしのセラピ受けてみない…?」
「え?」
「ダイブって結構ストレスとか、発散できるし現実じゃ言いづらいこととか愚痴とか言ってくれてもいいし…助けになれたら、嬉しい」
「……いや、それは…。そのダイブは彌桜が自分の意思で創り上げた世界なんだろ?」
「うん」
「俺はこうして思っている事は彌桜に言えているつもりだから、必要ないと思うけどな」


そうじゃないんだよ。ただ、わたしの世界でわたしを感じてもらいたかっただけで。喋らなくてもいいから、とにかく、一緒にいる時間がほしくて。クロア、…こういうの鈍いからなあ…。俯いていると、ぽん、と頭の上に何かが乗っかった。……クロアの手?


「…ま、ダイブするなら今度お互いオフの日にしよう。ダイブすれば詩魔法のバリエーションが増えるんだろ?」
「そ、それって」
「2人で、ダイブ屋行こうってことだ」


お客さんとして、と言う事。嬉しくて思い切りクロアに抱きついた。



xE rre du w.h.h. mea/.
(わたしが普通じゃないの 知ってた)

ヒロインちゃんちょっと…変わってます。早くダイブさせてみたいです
20081201







あきゅろす。
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