発展途上キャンバス2




ぎゃあ!子龍様ってこんなにセクシーだった、かな……



発展途上キャンバス*





ふ、と気だるいものの意識が浮上してきた。不思議なことに、最近眠ってもとれない疲労が全くなくなっている。それに不思議なほど…体が軽い?何なんだろう、ベッドも自分のにしては凄い柔らかいし、なんか、温かいし…。

 温 か い ? 

なんだか嫌な予感がする。屑でも小説家なせいかな、ベタな展開だと目が覚めた途端に隣に男の人が眠っててパニック状態になるとかいうやつ。不法侵入だったりして、いや、でもなあ私みたいな女に寄り付いてくる男の人も滅多に、というか天地が引っ繰り返ってもないだろうし。そうだとしたら、なんなんだろう。あ、そっかこの温かい感じって自分の体温のせいだよ…きっと。何ありえない展開を想像してたんだろう。でも、手が固定されてるせいかな、寝返りが打てないし身動きはとりづらいし…。あぁ、やっぱり嫌な予感は当たってるのかも、しれない。意を決して起きてみることにした。(結果がどうであれ、小説のネタが書きやすくなるかもしれないしね)


「(ぱちっ)…………」
「お早う、寝坊助さん」
!?!?ちょ、う、…うん!?」
「そうだが、………篠乃?」


手元を見ればなるほど手を握られていたんだ…動けるわけがない。って納得できるか!ちょっ、待って、なんで趙雲いるの!?温かいのって趙雲いるから!?ていうか、え、ここ自分の部屋じゃ、ない!?待って信じられないトリップ!?…でもリアルに見る趙雲格好いいな………わあああん!本当に有り得ない、パニック起こして失神しそう…(あれ、デジャヴっぽい)……そういえば趙雲、さっき私の小説のヒロインの名前呼んでた、はず。それから、昨日寝る前に書いてた文章で寝坊助さん、って呼ばせたいなって思って、同じこと趙雲に言わせたんだ…っていうことは、さ、もしかして、ここってあの小説の…な、か?じゃあ私、ヒロインになりきらなきゃいけなかったりするのかな。


「あっあの、趙雲、朝の鍛錬とか無いの、かな?」
「今日は休みをもらったと言っただろう?最近篠乃も忙しかったからあまり一緒にいられず寂しかったからな…」
「言った…っけ…。あ、言ったね、え、えへへ…」
「…それよりも、何か変だ。篠乃、何故私のことを趙雲、と呼ぶのだ。そう言っては仕置きだと…前に言ったのを忘れたか?」
「え!?い、言ったか、な…!」


記憶を辿れ…思い出せ…――――――言ってた…――ちょっと黒い趙雲書きたいって騒いだ時期あったんだよね、自分で自分の首絞めてるよ私なにやってるんだろう!趙雲が耳で囁いてる。…このありがちな展開…。


「……子龍と呼べ」
「……ぁ…っ」
「まあ、篠乃がそんなに仕置きされたいなら別だけどな」



CHU☆




顔が沸騰しそうなほど熱かった。だって、趙雲がいること自体信じられていないのに、こんなことって…っ!このまま、悶えて死ねる、だって、元々趙雲一筋で生きてきたんだもの、本当に失神して、しまい……そ、……「篠乃、……え、篠乃…?」う…。
白に戻った趙雲が必死に私を揺さぶっているのを薄っすらと感じ取れた。





2:20080507







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