想うのは影でなく、



母……いや、ジェノバを探すために現われたカダージュ達。だけど今はすっかりそんな目的や復讐の気持ちが浄化されたのか普通に私たちと生活している。元々精神的に甘えたがりな面があったからすぐに馴染む事ができたみたい。そんな彼らの帰る場所は私たちのセブンスヘブン、なんだよ。


「***、カダージュ達まだ?」
「うん、何か暇つぶしにって魔物討伐とかの仕事引き受けたらしいけど…」


もうすぐご飯なのに…。カダージュ・ヤズー・ロッズが消費する食料は半端じゃない。それくらい沢山食べるのにその食事の時間に帰ってこないなんて。よっぽど戦うのが好きか、なんだけどね。本当は私も行きたかったんだけどカダージュに危ないから駄目って言われてしまい、仕方なくティファのお手伝いをすることになったんだ。(ていうか私戦えるんだけど!)戦うのが好きっていう程でも無いんだけどアイテム取れるし依頼を受ければギル稼げるし。いいと思うんだけどなー。大きなテーブルにできあがった料理を並べながらぼーっと考え事をしていると外から響くような機械音が聞こえてきた。帰ってきたのかな?


「ただいまー!」
「カダージュ、おかえり」
「うん!僕ね、今日凄く頑張ったからご褒美も沢山もらえたんだよ!」
「え、こんなに?カダージュありがとう」


私が褒めてあげると、銀の絹糸のような髪をサラサラと靡かせながらはしゃぐ彼は本当に子どもみたいで。格好いいのに可愛くて、素直なのに意地悪で、子どもみたいなのに知的。ギャップだらけのカダージュの虜に、私はなってしまったのかもしれない。ううん、もうずっとずっとカダージュしか見えてない。
頭を撫でながら、カダージュの眩しい程にきらきら輝く髪の毛を梳いていると、何故か不安そうに上目遣いで私を覗き込んできた(はんそく…)。


「ねぇ、***」
「…んー?」
「***は、僕にセフィロスを重ねている…の?」
「………まさか、そんなこと、…それ、言ったらカダージュは私と貴方のお母さんを重ねてるんじゃ…」
「っ!そんな、違う!僕はずっと***が愛しくて、心から君がすきなんだ、勘違いしないで!」


もしも、私を大切にしてくれる理由が母を重ねているのなら私はどうせ代わりのものとしか見られていないということ。ずっと私の思い上がりだったらどうしようって、不安だった。でもそれは自惚れじゃなかった。
最初はカダージュとセフィロスが同じ存在だから、それはあったのかもしれない。だけど私が惚れたのはセフィロス関係なくカダージュそのものだから。
カダージュのこと、いつまでも大切にしたい。


「僕のお姫様は君だけだよ」



想うのは影でなく、
(だいすきな貴方自身)







あきゅろす。
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