よくご確認の上、



今日は久しぶりに私もセフィロスも仕事が休みだったからのんびりしようかなって思ってたのに。いきなりPHSのベルが鳴ったと思ったら統括からで『スラムで我が社の機械が暴走した』と、連絡が入った……所謂おまえも行け、だ。勿論私じゃなくても倒せるでしょう!と反論はしてみたものの『何せホランダー作だ、時間がかかると面倒だ』というわけ。確かにあのホランダーが作った物なら面倒極まりない。で、急いで制服に着替えて神羅ビルを出ようとしたらばったりザックスと出くわした。彼も同じ任務(?)らしいから一緒に行った。
ほんっとうにあっさり倒したんだけどあのロボット、周りに変なパラボラというかアンテナみたいなのを飛ばしてくるから思ったより苦戦してしまった。……ホランダーめ。


「やっと帰れるよぉ…」
「そういや***は今日休みなんだよな。統括もわかってんならタークスとかに任せれば良かったのにな」
「だよねだよね!セフィロスは休ませるくせに私ばっかり駆り出されるし…」
「あ!セフィロスって言えばさぁ、」


何でも、その情報はセフィロスFCからのメールだから確からしいんだけど(ていうか、ザックスはなぜファンクラブに入ってるんだ、君もファンなのか) 『少し前に会員の一人が街でセフィロスを見かけたときに長髪で茶髪の女性と一緒に歩いているのを見かけた』 という。…は、 ま じ で す か 。し、しし信じられない、だって私とでさえあんまり積極的に手を繋ごうとしてくれないくせにそんな…。はっきり言おう、セフィロスは女性との付き合いだとちきんになると思ってたのに!(半分冗談ね)嘘である事を願いながらも、その真実を確かめに私はザックスに「先行くね!」とだけ告げてセフィロス顔負けのスピードでマーケットを駆け抜け上へと戻った。


「あ、おっ……おまえのことなんじゃねぇのか…?」




急げ急げ急げ。セフィロスは私の仕事が終わるまでビルで待っててくれるって言ってた。もうエレベーターが来るまで待つのにも時間が惜しい。私は走って脇の階段を駆け上がった。たぶんブリーフィングルームにいるはず。


「……はぁ、っ…セフィロス!」
「なんだ、もう終わったのか」
「そ、っそんなことはいいから!それよりセフィロス、何で浮気したの!?」
「知ら……………は?俺が?」
「他に誰もいないでしょう!」


とぼけても無駄よ、と目を見開いて信じられないと呟いているセフィロスに言ってやった。ちょっとどころか凄くショックだったんだもの。女好きだなんて。私がひとりで騒いでたらだんだん虚しくなってきて視界がぼやけてくる。無理、泣きそう。その瞬間、私と同じような勢いでザックスが入ってきた。もしかして、私のこと追ってきたのかな凄いスピードでここまで来たのに。そして、しばらく息を整えてたかと思うと私の肩をがしっと掴んできた。「***、変な誤解してんだろ!」って。


「このメール最後まで読んだのか?」
「や、読んでない…」
「下の方見てみろ」


ザックスにそのメールを見せてもらうと『長髪で茶髪の女性で………ソルジャー…』……え?私がぶつぶつとそれを読んでいると隣で覗き込んでいたセフィロスが肩を震わせ笑っていた。


「それって***のことだろう」
「え、あ!わ、私……茶髪?」
「あぁ」
「私…ソルジャー…?」
「勿論、1stだぜ!」


あっ、と思えばもう遅し。嫉妬していたのは自分にだった。なんだか可笑しくなってきて涙を拭いながらセフィロスに抱きついた。


「***以外に俺は興味ないぞ」
「……しってる!」



よくご確認の上、
(美形な彼の苦労している彼女)







あきゅろす。
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