Attention!



今日は朝出勤してからずっとデスクと睨めっこ状態だった。私はタークスと言ってもどちらかと言えば戦闘能力は低いし戦うの苦手だし、やっぱり血を見るのは嫌だし…。だから事務とかこっちに回ってくる書類などを片付ける事が多い。だけど今日のは半端じゃなかった。何がって仕事が!!最近レノが「俺仕事終わったから仮眠してくるぞ、と」とか言って最初はレノ凄いな、と思ってたのに。昨日の夜遅くに社長から「この間のパーティ事件の任務報告書が届いていない」とか連絡が来て。その任務はレノが行ったからレノが持ってるはず…。と思って、彼のデスクをあさったら で て き た 。


「もう!レノったらあの報告書だけじゃなくて他の分もばっちり溜め込んでるじゃない!」
「あら、知らなかった?レノが仕事終わらせるなんて天地がひっくり返っても有り得ないのよ、***」
「シスネー……」


そういうならシスネも手伝ってよ、と言ったら事務的な事は貴女の方が向いているわ、とニッコリ笑顔と一緒に言われてしまった。結局私がやるのか…。ぶつぶつ言いながらもやらなくてはいけないし、赤い頭してても外でレノは頑張ってるもんなぁ、少しでも負担軽くしてあげたい気持ちはあるもの。赤くならない程度に頬を叩けば切れ掛かっていた集中力が戻ってきた。
しばらくまたパソコンと向き合ってカタカタと文字を打っているとひとつしかないドアが独特の音を立てて開いた。会いたくて、会いたくなかった人………レノでした。


「おはよーさん、と。***朝から頑張ってんなぁ」
「……誰が頑張らせてるのよ!」
「ん?あぁ…もしかして俺ですか、と」
「当たり前でしょ!もし私が気付かなかったら社長への大事な書類渡し損ねてレノ、タークスクビになるよ!?」
「や、タークスは嫌でも抜けられないんだけどな」


今そういう細かい事気にしてるんじゃないわよ!と日々のストレスと共に叫んだ。たぶん私のキレ具合にシスネも驚いていると思う。ツォンさんがいなくて心底良かったと思った。………もう嫌だ、いくら得意だといっても毎日毎日山積みの紙と戦うなんてやってられない。それならまだ八番街の警備とかの方がいいと思ってしまう。


「もう疲れた…眠いよー」
「ほんといつもありがとな」
「その原因はレノでしょ!」
「誰もやれとは言ってないぞ、と」


それはごもっとも。だからと言ってレノのデスクに散乱してる書類をそのまま放って置くのも嫌で、だってレノが疲れて任務から帰ったのにデスクワークが残ってたらきっと大変だろうし、レノは笑ってる方が好きだから眠そうな顔とか辛そうな顔とかみたくないし。そりゃ勿論その分私が眠いし疲れるし、仕事放棄だってしたくなっちゃうけど…。


「そかそか、俺のためにやってくれてるんだもんな」
「あたりまえでしょ…」
「じゃ、ついでに……これも片付けておいてくれると助かるぞ、と」
「っっっ!レノの馬鹿!!!」


でも、結局やってしまうんだなぁ。レノのために。



Attention!
(でも休めよ、過労死すんぞ、と)
(ならレノもやってよ…)








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