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暗黒騎士
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ギンッ!

と朝早くから城の中庭で剣を交えている二人。

一人の名はレオン。
このバロス王国で育ち、幼い頃から暗黒剣を極めてきた。

もう一人はライカン。
ライカンも同じくバロスで育った。
しかし、レオンの暗黒剣とは真逆に、聖剣を極めてきた。

二人は幼なじみでありながら、よいライバルであった。


そして今、余り物のケーキを巡って決闘を行っていた。
勿論勝者がケーキを手にできる。

「どうした?動きが鈍くなってきたぞ?そろそろ限界か?ライカン」
「るせぇよレオン。それはお前も同じだろーが。」
ギンッ!!
少々会話を挟みながら剣を交える二人。
しかし、決闘を開始してから一時間近く経過している。
二人の体力はそろそろ限界に近い。
すると、レオンがライカンから間合いを取った
そしてレオンがライカンの後方を指さし
「おいっ!見ろよライカン!あんな所に10Gが!」
「あん?」
そう言うとレオンは、後ろを振り返ったライカンへ向かって走り出した。

「もらったぁぁぁああ!!!」
「えっ、ちょっ、えっ、うおっぉっ!!?」

ギンッ!!

剣を弾く音が庭に響きわたった。

レオンはつまらん作戦でライカンの集中を乱し、その隙に彼の剣を弾いたのだ。

ガランガランと音を立て、ライカンの聖剣は煉瓦の地面に倒れる。

「オレの勝ちだな。ライカン。」
「畜生、相変わらず汚い奴だな。」
「負け惜しみはやめろよ。見苦しいぞ。まぁ、これであのケーキはオレがいただく事になったから。」
「・・・。」



つまらない決闘も幕を引き、外は暗くなってきた。


今日、夜の城の見回り担当のレオンは、松明を片手に城の周りを歩く


このバロス王国は、城と大きな町で成っている。
なので、兵士たち(レオンやライカン)は城以外にも町からの以来などを受け、その報酬で生計を立てている。

「はぁ、眠いな。早く終わらせて寝るか。」
と言いながら歩くレオン

城の周りにある、幅20mほどの堀の外側に沿って歩いていた。

すると、レオンの目の前に人間が現れた。
「ん?誰だお前は?」
「貴様が例の暗黒剣の使い手か。」
「んー・・・ ん??」

体全体をマントで多い、目の部分だけ少し晒している女性。
口調はまるで男性のようだ。

レオンが問いかける。「えっと、あんたこんな所で何してるんだ?
下町の人間か?この辺りはモンスターが出るから危険だ。
早く下町に戻れ。」

しかし、その女性はレオンの忠告を無視。

「少し貴様に用がある。
着いてこい、小僧。」

その女性はそういうとレオンの左手首を掴み走り出した。

「いってぇな・・・。ってうぉぃうぉい、どこへ行くんだよ!?」
「・・・。」

またしても無視。

「(こいつは一体何者なんだ・・・?)」

女性は、訳の分からぬ状況を前に呆然としたレオンの手首を強く握り
暗闇の森へと消えていった。




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あきゅろす。
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