[携帯モード] [URL送信]
甘(闇表、別体、甘い)
※闇さまと表ちゃん別体設定です




なんていうんだろうか?
とりあえずはちみつみたいに甘い
だけど、はちみつのように濃厚に甘いんじゃなくて柔らかく優しく甘い
それはわたがしの柔らかさを感覚にしたみたいな甘さでもあるし、心が温まるような優しい甘さはホットミルクを飲んだときに体にぽっと広がる温かさにも似てる

あまい

家から帰ってきてただいま、と言うのも曖昧にドタドタと階段を駆け上ると少し乱暴にドアを開けた
バタン、
ぴくっと反応して振り返ったもうひとりの僕と目がかち合う
「どうしたんだ、相棒。随分大急ぎだな」
綺麗に透き通った赤色の目をぱちくりとさせるものだからしばらく見いってしまった
当たり前だけど、僕の目みたいに紫色ではないんだよね
「君がまた早退したっていうから…」
「大丈夫だぜ!」
即答してくる様子からして心配は無さそうだけど、少しぐらいは心配させてくれても良いのに…

「デッキの調整してたの?」
座っているもうひとりの僕の足元に目を落とすと、デッキから外れたであろうカード達が散乱していた
「あぁ、後は相棒の意見を聞こうと思って待ってたんだ」
ふーん、と新しいデッキに興味を引かれて自分も腰を下ろすと、もうひとりの僕の足元に散らばったカラフルな粒達が見えた
「なぁに?それ」
不思議に思って指差すと意外にもまずい、と言った風にもうひとりの僕は身を固まらせた
「いや、なんか杏子がくれたんだぜ…」
手を伸ばしてその一粒を持ち上げてみる
きれいなピンク色だ
他にも緑、黄色、水色とカラフルに散らばっていた


「じぇりぃー…びーんず?だかって言うらしいんだそれ」
豆の一種だと思うんだが、と付け加えるもうひとりの僕にあきれながら、僕はそのピンクの一粒を口に運んだ

あまい、

あまずっぱい苺の味が口に広がる

「おいしいね」
もうひとりの僕の顔を見てにこっと笑うと、もうひとりの僕も遅れて嬉しそうに笑った
でもすぐに
はっと気づいた顔をすると
「でも、別に独り占めしようとして1人で食べてたわけじゃないんだ!相棒が突然入ってくるからじぇ、じぇりーびーんず、の存在を忘れていて…」
手をばたばたとさせるもうひとりの僕が面白くて、全然そんなことで怒ってなんかいないけど、少しだけ意地悪がしたくなってくる


「ほんとかなぁ?」
少しだけ疑うような顔をしてでも目はいたずらっぽく、もうひとりの僕の足に手を置いて近付く
もうひとりの僕はあぐらをかいて座っていたから太ももの上に手を置いて丁度もうひとりの僕にもたれ掛かるような格好
自然と顔は近い

「ほ、ほんと…だぜ!」
いつものもうひとりの僕からは考えられないような慌てた顔
そんな顔を見るのが楽しくて更に顔を近づけてみる


「じゃあ、確認」
「確認て、あいぼ…」

最後まで言わせてあげないで、僕はもうひとりの僕の唇にくちづけた
唇をぺろっと舐めるのも忘れない




「ほら、やっぱりあまい」








あっまー…
冥界から帰ってきた闇さまは体を持ったばかりなのでまだあまり上手く制御できません、強い相棒が支えてくれてたらいい☆てかこれ表闇…?いやいや、闇表で


[次へ#]

あきゅろす。
無料HPエムペ!