オリジナル小説
ある日の授業後に…
「馬鹿にしやがって!お前等みんな殺してやる!!」
 
 
授業が終わった教室では隆治がナイフを持って暴れていた
 
 
クラスメイト達は怯えた表情で隆治を見ている事しか出来ないでいる
 
 
そこへ騒ぎを聞き付けた翔が隆治を止めに入った
 
 
「やめろって!危ないだろ!」
 
 
「離せ!!」


尚も抵抗する隆治に翔は必死に止めようと掴み掛かる
 
 
 


そして――…‥
 
 
 
グサッ
 
 
 
「…っ」

 
 
隆治を止めようとしていた翔だったが、隆治が翔を振り払った拍子に持っていたナイフが翔の腹に刺さった
 
 
小さく呻き声を上げ屈み込む翔
 
 
「あっ……悪い……」
 
 
隆治は一言そういい屈み込む翔を支えることしか出来なかった
 

翔は痛みに耐え息を整えながら隆治に言う
 
 
「そ…んな…顔…すんなって…ハァハァ 俺は…大…丈夫…だから」
 
 
「それに、これは…事故…なんだ…から…お前…が…気に…する…必要…は…な…い…」
 
 
翔は切れ切れに話すのがやっとで、終いには自分の身体を支える力さえも残っていないのか、床に倒れ込んでしまう
 
 
「翔っ!!」
 
 
隆治に抱えられながら翔は苦しそうに息をしている
 
 
少し落ち着いたのかまた話し出す翔
 
 
「どうして…こんな事になったんだ?」
 
 
少し口ごもりながらも訳を話す隆治
 
 
「俺が片親なのをあいつら馬鹿にしたんだ!それでカーッとなって…」
 
 
「そう…だったのか…
ふっ お前は悪くない…流石に…ナイフ…使ったのは…良くなかったけどな…ハハ」
 
 
訳を聞いて納得したのか翔は隆治の肩に手を置いて宥める様に言う
 


 ズキン
 
 

「…っ」
 
 
 
また傷が痛みだしたのか翔はうずくまって痛みに顔を歪めている
 
 
そうしているうちに誰が呼んだのか担任の先生が駆け付けた
 

「翔くん!しっかりして!」
 
 
先生も傷付いた翔を前にし、うろたえるばかりだ
 
 
「先生、とりあえず救急車は呼んであります」
 

「そう、それより状況を説明して!何でこんな事になったの?誰がやったの!」
 
 
「隆治くんがナイフ持って暴れて」
 
 
「それで止めようとした翔くんが刺されて…」
 
 
遠巻きに見ていたクラスメイトは口々に言う
 

「先生!こいつは悪くない…事故だから…こいつを責めないで!」
 
 
「でも…」


必死に隆治を庇う翔を見て先生は諦めたように一つ息をついた
 
 
「分かったわ。翔くんがそこまで言うならこの件は詮索しないけど…」
 

翔は自分を見つめる隆治や先生、クラスメイトに心配を掛けまいと襲ってくる痛みに必死に耐えていたが、それももう限界で次第に遠退いていく意識に逆らうことは出来ず翔は気を失った
 

暫くして救急車が到着し、翔は病院で2週間程入院することになった
 
 
幸い傷は思っていたほど深くなく退院後は普通に学校生活を送っている
 
 
もちろん隆治やクラスメイトたちと共に――‥
 
 
 
            fin

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