鋼の錬金術師(ロイ×エド ※死ネタ)
伝えたい言葉

大佐の執務室の前で俺は深呼吸を一つした

何度も訪れたこの場所も今日はいつもと違って見えた



コンコン――‥



「失礼します」

普段ならノックもせずに開ける扉を軽くノックして入る

「大佐、今日はアンタに報告があって来たんだ」

そう言いながらエドワードはゆっくりと右手の手袋を取った

そこにあったのは鈍く光る機械鎧ではなく生身の身体

「まだちょっと慣れないけどさ」

エドワードは照れ臭そうに右手を握ったり開いたりしてみせる

「アルもちゃんと元の身体に戻ったんだ。本当はアルも来たがってたんだけど、まだ本調子じゃないからリゼンブールに置いてきた」





2人は旅の途中で偶然たどり着いた遺跡に書かれていた方法を元に人体錬成を試みた

結果は見事成功し、アルフォンスは身体を、エドワードは右手と左足を無事取り戻したのだった

しかし、アルフォンスの身体は衰弱しており、リゼンブールで暫く休むことにした

そしてエドワードは身体を取り戻したことを報告するためロイの元を訪れたのだ





「大佐には本当に感謝してる。あの時アンタが俺を叱って、道を示してくれてなかったらきっと一生あのままだった。国家錬金術師になってからもたくさん迷惑かけたけど、アンタはいつもなんだかんだ言っても俺達のことちゃんと見守って助けてくれたよな・・・」

そこまで言うとエドワードは堪え切れずに涙を溢れさせた

「本当はもっと早くに見せたかった・・・アンタに、見てもらいたかった!」

誰もいない机に向かってエドワードは話し続ける

「大総統になるんじゃねぇのかよ・・・こんなところで、大佐で止まるアンタじゃねぇだろっ」





エドワードは涙を拭いて今は亡き上官の机に向かって頭を下げた

「ロイ・マスタング大佐、今までありがとうございました」





よかったな、鋼の――‥





その時、ふいに懐かしい声が聞こえた気がした





fin.


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