WILD ADAPTER(久保田×時任)
好きということ ※R18(荒磯執行部)

「時任君、ちょっと話があるんだけど」

授業が終わって荷物を片付けていた時任は、話があるという同じ学年の沢井という女子に声をかけられて一緒に体育館裏まで来ていた

(こんなとこに俺様を呼び出して、まさか告白でもしようってんじゃないだろうな?)

内心そんなことを考えながらも、表情は何でもない風を装うことを忘れない

「で、話って何だよ?」

少しの間のあと、沢井が睨むように時任を見つめた

「あなた、久保田君と付き合ってるって本当?」

沢井が口にした言葉は予想を大きく外れる内容で、時任は思わず声がひっくり返った

「はぁ!?なんだよそれ」

「あなたと久保田君は付き合ってるってみんな言ってるわ」

「俺と、久保ちゃんが・・・?」

「あなたと久保田君は一緒に住んでるみたいだし、キスしたり“そういうこと”したりしてるんでしょ?男同士で気持ち悪い」

「ちょ、ちょっと待てよ!久保ちゃんは同じ執行部の相方で、そりゃ一緒にも住んでるし、一緒にいることが多いけど、だからって別に付き合ったりしてるわけじゃ・・・」

反論してみるものの、面と向かって“気持ち悪い”と言われたことに時任はショックを受けていた

「じゃぁ、私がアタックしても問題ないわよね?」

「そ、それは・・・」

黙ってしまった時任に対し、沢井は勝ち誇ったように笑みを浮かべる

「付き合ってないならあなたに止める権利無いわよね?」

「・・・勝手にすればいいだろ」

「そう。じゃ、用はそれだけだから」

そう言って沢井は校舎へと戻って行った

「何なんだよ、一体」

一人残された時任はその背中を見送りながら、モヤモヤとした気分のままその場からしばらく動けずにいた





「あれ?時任まだ来てない?」

執行部の部室に来た久保田は時任の姿が見えないことに首をかしげる

教室にはすでに時任の姿は無く荷物も無くなっていたから、てっきり執行部にいると思っていたのだ

「今日はまだ来てないわよ」

桂木が返事をすると久保田は「そう、」とだけ残し部室を後にした

「どこに行ったんだろうね」

今日は執行部も非番の日だから特に学校に残っていなければいけないわけではないが、時任が久保田を残して先に帰ることはまず無い

「屋上かな?」

二人の共通の息抜きの場所である屋上に久保田は足を向けた





「やっぱりここにいた」

「久保ちゃん」

「どしたの?何かあった?」

時任の表情にどことなく沈んだものを感じた久保田は、時任の隣に立つとそっと顔をのぞき込んだ

「いや、別に何もないぜ。ちょっといい天気だったからここでのんびりしてただけ」

だが時任は話す気がないのか久保田から視線を外すと、大きく欠伸をして目をこすった

「なんか眠たくなっちまったから先帰るわ」

そんな時任の様子を訝しみながらも久保田はあえて何も聞かなかった

おそらく今は何を聞いても答えてはくれないだろう

久保田は時任が自分から話してくれるまで待つしかなかった

「分かった。気を付けてね」

しばらく一人になる時間も必要だろうと久保田は時任の後ろ姿を黙って見送った

「さて、どうしたもんかねぇ?」

少なくても昼まではいつも通りだったはずだ
こうなった原因に心当たりがない久保田は、少し考えた後小さく息をついた

「まぁ、本人が話してくれなきゃ意味ないんだけど」





家に帰ってもやはり時任の元気はなく、久保田は頭をかいた

「俺、今日ちょっと疲れたから早めに寝るわ」

早々にご飯と風呂を済ませた時任は、いつもならそのままゲームを始めるところを今日は早く寝るという

「んー、体調が悪い訳じゃないんだよね?」

久保田の問いかけにうん、とだけ答えて時任は部屋に入っていった

体調は問題無さそうなので、そのまま何も聞かずに様子を見ることにする

「時任が元気ないと調子狂うなぁ」

それでもたまには一人になりたいこともあるだろう、と久保田は時任の入っていった部屋の前で「おやすみ、」とだけ声をかけた





「久保田君、話があるんだけど少しだけ時間もらえるかな?」

次の日の放課後、沢井という女子生徒に体育館裏へと呼び出された久保田は仕方なく目的の場所へと向かった

(誰だっけ?同じ学年だったような気はするけど・・・)

呼び出された目的は大方見当がつくものの、さしあたって興味のないソレに時間を取られるのも嫌だなーなどと考えながら久保田は相手の言葉を待った

「久保田君、ずっと貴方が好きでした。私と付き合ってくれませんか?」

予想通りの言葉に思わずため息が漏れる

「あのさ。俺君のこと知らないし、いきなりそんなこと言われても困るんだけど?」

久保田の突き放すような言い方に沢井が一瞬傷ついた表情を見せる

「そもそも、俺のどこが好きなワケ?」

「久保田君は強くて優しくて、執行部でこの学校の治安を守ってる姿も本当に格好良くて・・・私、久保田君のことが大好きで」

「何か勘違いしてるみたいだから言っておくけど、俺は別に学校の治安とかどーでもいいのよ。俺が執行部にいる理由は一つだから」

久保田の言葉に沢井が俯く

「それって時任君?」

「そう。時任が執行部にいるから俺もいるだけ。俺が守ってんのは学校の治安じゃなくて時任なの。それに俺が優しいのも時任だけだから」

はっきりと言い切った久保田に沢井は悔しそうに表情を歪める

「でも時任くんはあなたのこと、ただの相方だって・・・久保田君は時任君が好きなの?男同士なのにそれって変じゃない?」

沢井の言葉を聞いて、久保田は昨日の時任の様子がおかしい理由にようやく思い至った

「男同士だから、それが何?」

冷たい眼差しを向けられ沢井がビクリとする

「昨日、時任に何か言ったでしょ?」

「それは・・・」

目を逸らせる沢井に久保田はなおも冷たい眼差しを向ける

「何て言ったか教えてくれる?」

反論を許さない空気に耐えきれず沢井はポツリと話始める

「昨日、時任君に久保田君と付き合ってるのか聞いたの。そしたら時任君はあなたのこと“ただの相方”だって・・・」

「うん、それで?」

「けど私、久保田君が時任君を見つめる眼差し見てたらそれだけに思えなくて・・・一緒に住んでてキスとか“そういうこと”してるんじゃないの?って時任君に聞いたわ。それに、男同士で気持ち悪いって言った」

「なるほど。それで・・・」

ことの顛末を聞かされた久保田は目の前の沢井に少し腹を立てた

「君が男同士の恋愛をどう思おうと勝手だけど、そのことで時任を責めるのはお門違いなんじゃないの?それに、残念だけど君が好きだって言った目の前の男は他の男が好きだって言ってんだけど?」

「そんなこと分かってる!でも好きになっちゃったんだから仕方ないでしょ!あなたに振り向いて欲しかったのよ・・・」

「俺は時任以外、要らないから。ごめんね?」

久保田の言葉に沢井はその場で顔を覆って泣いていた

けれど久保田はそんな沢井には見向きもせず、時任を探すべく体育館裏を後にした





「はぁ・・・」

時任は昨日から何度目か分からないため息をつき、窓からぼんやりと校庭を眺めていた

「おや、珍しいですね?元気が取り柄の君がため息なんて」

「げっ、橘!」

そんな時任の後ろから声をかけてきたのは生徒会の副会長であり、会長の松本と恋仲でもある橘だった

「どうかしましたか?私でよければ相談に乗りますが」

「別に。何でもねぇし」

あまり関わり合いたくない人物のため、時任はすぐにその場を立ち去ろうとした

「相変わらずつれないですねぇ。もしかして久保田君のことですか?」

「っ、なんで・・・」

「君がそんな顔をするのは大抵久保田君絡みかと」

良くも悪くも時任は単純な上に顔に出やすいのだ

時任は橘の顔をまじまじと見つめた後、意を決したように口を開いた

「あのさ、お前はその・・・松本と“そういう関係”なんだよな?」

「“そういう関係”とはつまりセックスをしているか、ということですか?」

躊躇いもなく直球で聞き返してきた橘に時任は真っ赤になって口ごもる

「ええ、してますよ。もちろん私が挿れる方ですが」

「ばっ、そこまで聞いてねぇって///」

「それがどうかしましたか?」

質問の意図が掴みきれず橘は時任を見つめる

「それはさ、相手が好きだからそうしたいって思うんだろ?」

「ええ、そうですよ。相手が好きで好きでたまらなくて、もっと近くにいたい、もっと深く繋がっていたいと思うから、そういう行為をするんです」

あなたは違うのですか?と問いかけられて時任は俯く

「俺は、正直良く分かんねぇんだ。久保ちゃんのことは好きだし大切だけど、お前みたいに身体を重ねたいとまで思ってる訳じゃない」

(それってやっぱり好きじゃねぇってことなのかな?)

「久保田君も報われませんね」

小さな声で呟かれた言葉は時任の耳にもちゃんと届いていて、ますます時任を憂鬱にさせた

「久保ちゃんも、俺とそういうことしたいと思ってんのかな・・・」

「さあ、どうでしょうね。本人に直接聞いてみれば良いのではないですか?」

「お前はさ、その・・・男同士でおかしいとか悩まなかったのかよ?」

「最初は思いましたよ。けれど好きになってしまったんですから、どうしようもないじゃないですか。そんなことで諦められるくらいなら最初から諦めてますよ。大切なのは周りからどう思われるのかではなくて、あなたが久保田君をどう思っているかじゃないんですか?」

「俺は、久保ちゃんのこと・・・」

「さて、少し話しすぎましたね。噂をすれば、お迎えが来たようですよ?」

橘の言葉に顔を上げると久保田がこちらに歩いてくるところだった

「二人で密会中に邪魔しちゃったかな?」

橘に薄い笑みを向けた久保田の目は笑っていなかった

「嫌だなぁ、ただの雑談ですよ。ね?時任君」

ニコリと時任に笑いかけると、橘は「それじゃあ、また」と言ってその場を立ち去った

その場に残された時任は拳をぎゅっと握りしめると久保田を見上げる

「久保ちゃん、今日家に帰ったら話があるんだけど」

「うん、分かった」

久保田はどこか吹っ切れたような時任を見つめ、優しい眼差しを向けた





執行部の見回りが終わり、帰宅時間になったのでそれぞれ帰りの支度を始めていた

「何かちょっと吹っ切れたみたいね」

桂木が久保田に話しかけ、久保田がそれに苦笑する

「こうなったきっかけは分かったんだけど、なんか帰ったら話があるみたいで。俺、振られちゃったらどうしよ」

「時任が久保田君を?まっ、その時は私が慰めてあげるわよ」

「桂木ちゃん、それちょっと・・・エロいかも」

「そっちの意味に取るアンタの思考がエロいのよ!」

そんなやり取りをしてると時任が久保田の腕を掴む

「帰るぞ、久保ちゃん」

「ちょっと待って、荷物がまだ・・・」

「早くしろよな」

こんなやり取りでも、時任の顔を見ていれば久保田が振られるなんてことはあり得ないだろうと思う

(本当にこのバカップルは・・・)

桂木は短くため息をついて部屋を出ていく二人を見送った





家に帰ると時任はソファーに座り、久保田にも隣に座るよう促した

「あのさ、」

「うん?」

「久保ちゃんは・・・俺のこと・・・好き、なのか?」

真剣な眼差しを向けてくる時任に久保田は目を閉じて小さく息を吐き出した

今の時任には誤魔化しは通用しない

「うん、好きだよ」

「それは恋愛感情として好きってことか?つまり、その・・・キスとかセックスしたいとかって思ってんのかよ?」

時任は久保田が自分のことを少なからず好きだと思っていることには気付いてはいたが、それがどの類いの愛情なのかは知らない

それは久保田がそれを時任に悟らせないように隠してきたからだ

「それ聞いてどうすんの?」

「いいから答えろよ」

返答次第では今の関係が壊れてしまうかもしれない。それが分かっていながら、久保田には光を宿した時任の瞳に嘘をつくことは出来なかった

「そうだよ。俺は、お前のことをそういう意味で愛している」

本来なら甘い告白であるはずのソレも、この状況ではただの挑戦状のようなものだった

「そういうお前こそ、俺のことどう思ってんのよ?」

「俺は・・・」

時任は少し間を空けて、照れたように久保田を見上げる

「俺も久保ちゃんのこと、好きだぜ?」

だが、時任の返事を聞いた久保田は困ったような笑みを浮かべた

「うん。でも俺の“好き”と、お前の“好き”は違うから」

そう言って小さく首を振る久保田に少しムカついた

「そんなの、やってみなけりゃ分かかんねぇじゃん!」

勢いに任せて時任は久保田の唇に自らの唇を押し当てる

些か乱暴すぎるキスに久保田が面食らっていると、時任はそのままたどたどしいキスを何度も繰り返した

目の前で愛しい人が自分にキスをしてくる、その状況でそれを拒むことなど今の久保田には出来なかった

時任の身体を抱き寄せ、舌を絡め、その唇を味わうように深く深く口付けた

「っはぁ・・・はぁ、はぁ、」

ようやく解放した頃には時任の息は完全に上がってしまっていた

「久保ちゃん、激しすぎ!」

「ごめん、つい」



自分でも驚くほど、時任を求める自分自身の心を止められなかった

今までは気持ちを抑えてコントロール出来てただけに久保田は少なからずショックだった



もう、これ以上時任のそばにいてはいけないのかもしれない

いつか取り返しのつかないことをして傷付けてしまう前に、時任を手放さなければーーー・・・



そんな考えが頭の中をよぎる

だが久保田の思考を途切れさせたのは時任の言葉だった

「でも・・・久保ちゃんとのキスは全然嫌じゃなかった。・・・ってか、気持ち良かったかも///」

「お前ねぇ、そうやって煽るようなことあんまり言わないの。こう見えても俺だって健全な男子高校生なんだからね?」

抑えられなくなるっしょ?と言う久保田の言葉に、時任は思わず視線を下へ向けて真っ赤になった

久保田のズボンが明らかに膨らんでいるのだ。それは紛れもなく時任に欲情しているということで、

「ほらね、だから言ったでしょ?俺の好きは、こういうことなんだって」

「久保ちゃん・・・」

時任はどう返したらいいのか分からず思わず黙りこむ

そんな時任の頭にポンと手を乗せると久保田は苦笑した

「ちょっと一人で頭冷やしたいし、シャワー浴びてくるわ」

だが、時任はその場から立ち去ろうとする久保田の腕を思わず掴んでいた

「何?」

「・・・してもいい・・・俺、久保ちゃんとなら・・・」

恥ずかしそうに真っ赤になりながらそう言う時任に、久保田はどうするべきか悩んだが結局は時任を前に拒むことは出来なかった

「じゃ、シようか」

ゴクリと息を飲む時任の表情が強張っている

「本当にいいの?今なら引き返せるよ?」

「ヤるっつったらヤるんだよ!男に二言は無い!」

妙なところで男らしいというか何と言うか・・・





「時任」

「久保ちゃん・・・」

お互いの顔を見つめて抱き締め合うと、触れあったところから温もりが伝わってきてそのことに何故だかすごく安心する

何度もキスを繰り返すうちに、時任もそれに応えるように自らの舌を絡めてきた

どちらのとも分からない唾液が口の端を伝って落ちていく

久保田がキスを続けながら器用に服を脱がせていくと、その肌が露になり時任は恥ずかしそうに俯く

「なんか、スゲー悪いことしてる気分」

「そんなのすぐ気にならなくなるよ」

時任のモノを手でやんわりと握り軽く上下に扱くと、時任が短く吐息を漏らした

「感じる?」

「んなこと、聞くな///」

少し立ち上がりかけたソレを今度は口に含んで舌を這わせる

「ちょっ!?バカ!何してんだよ!」

「何って・・・ナニだけど?」

「じゃなくて!口で、・・・んあっ・・・ふっ・・・」

抵抗しようとするものの、久保田の愛撫が気持ち良くて時任は思うように話すことも出来なかった

「気持ちいい?」

「だ、から・・・聞くなっての・・・!」

「聞かないと分からないじゃない。時任には気持ち良くなって欲しいし」

「っバカ・・・口に入れた、まんま・・・喋んな・・・ん・・・あっ・・・」

感じている時任の表情に思わず久保田のモノも大きさを増す

(流石にこんな顔見せられたらねぇ?)

「久保ちゃ、・・・俺・・・あっ・・・んもう・・・イきそ・・・」

絶え間なく愛撫を続ける久保田に限界が近いことを伝えると、久保田は止めるどころかさらに強弱を付けて
時任のモノを扱き始めた

「口、離せ・・・って・・・んあっ・・・も、出る・・・!」

「いいよ。このまま」

時任は嫌々と首を振って手で久保田の頭を押し戻そうとするが、思うように力が入らず結局久保田の口の中に出す羽目になった

「っ・・・はぁ、はぁ・・・久保ちゃん、悪ィ・・・」


ゴクンーーー・・


「ちょっ!お前っ、何飲んでんだよ!?」

久保田はペロリと舌で唇を舐め時任を見る

「ごちそうさま」

「///・・・信じらんねぇ・・・」

そっぽを向く時任は耳まで真っ赤だ

その姿が可愛くてクスリと笑うと、久保田は後ろからぎゅっと抱き締めた

「機嫌直して?ね?」

「久保ちゃんも・・・」

「ん?」

「久保田ちゃんも同じ目に遭わせてやる!そうすれば俺がどれだけ恥ずかしいか分かるだろっ」

いきなり振り返ったかと思うとその反動でベッドに押し倒された

「これじゃ俺が襲われてるみたいだけど?」

「いいんだよ!俺の恥ずかしさを思い知れっ」

そう言って些か乱暴に服を脱がすと、久保田のすでに立ち上がっているモノをパクリと口に咥えた

「何でこんなにデカくなってんだよ」

「そりゃ、お前のあんな姿見せられたらねぇ?自分がどんな顔してたか知ってる?」

「んなの、知るわけねぇだろーが」

久保田がやったように見よう見真似で口を上下に動かす

「久保ちゃん、どうやったら気持ち良い?」

自分のモノを咥えながら見上げてくる姿に久保田は熱が高まっていくのを感じた

「お前がシてくれてるってだけでも十分気持ちいいんだけどね」

(時任のこんな姿見せられたら加虐心が煽られてメチャクチャにしてやりたいって気になるけど・・・流石に二度とシてくれなくなっちゃうよねぇ)

そんなことを考えながら与えられる快感に身を任せる

「久保ちゃんだけ余裕なのってなんかムカつく!」

時任の負けず嫌いな性格はここでもしっかり発揮されており、久保田は思わず苦笑する

「そう見える?けど、実はあんまり余裕無いんだけどねぇ・・・」

ふぅ、と深く息を吐いて快感と熱を少しだけ外に逃がすと、時任の顔を眺める

(このままずっと眺めてたいかも、なんてね・・・)

時任は初めてで分からないながらも、自分が気持ち良かった場所ややり方を真似して久保田のモノを強弱を付けてしゃぶった

(あー・・・時任の口の中、温かくて気持ちいいし・・・本当にそろそろ限界かも)

「っ・・・時任、・・・もういいから」

徐々に久保田の呼吸も乱れてきて限界が近いことを知る

(久保ちゃん、良かった・・・ちゃんと気持ち良くなってくれてんだな)

しかし時任は最初の宣言通りにするつもりか、久保田への愛撫を止める気配はなかった

「時任、・・・っ・・・本当に、飲むつもり?」

「当たり前じゃん」

即答で返ってきた答えに小さくため息が漏れるが、これ以上は我慢出来そうになかった

「・・・くっ・・・時任、・・・出すよ・・・っ」

そう告げた瞬間、久保田は勢い良く時任の口内に白濁を放った


「!!!」


「っ時任、・・・無理しないで出しなさい」

久保田がそう声をかけるものの、時任は首を振って、口一杯に広がるものをゴクリと音を立てて飲み下した

「ぷはっ・・・どうだ!俺の気持ちがちょっとは分かったか!」

「そうね、・・・これ、結構恥ずかしいかもしんないわ/ / /」

少し得意気な時任の顔を見ながら、その口の端に残る己の欲望の証をペロリと舐めとった

そしてそのまま時任の唇に自らの唇を重ねて深くキスをする

互いの欲望を受け止めた口内を互いの舌で探り合い、唾液と精液がドロドロに混ざりあって零れていくのを感じてもお互いに止めることは出来なかった







長い長いキスを終えて、すっかり勃ち上がってしまったモノをもて余しているのか、時任は久保田の手を自らのモノへと触れさせた

「また感じちゃった?そんなにキス良かったんだ?」

「うん。気持ち良かった・・・けど、まだ足りねぇ。なぁ久保ちゃん、俺のこと抱いて?」

そんなことを言われて潤んだ瞳で見つめられれば、それに抗うことは出来ない

「後悔しない?」

「しない。久保ちゃんとなら絶対」



遠回りしたけど、ようやく分かった

俺、やっぱり久保ちゃんが好きで

どうしようもなく大好きで

久保ちゃんのもっと近くにいたい

抱き締めてほしい、キスしてほしい、もっと深いところで一つになりたいんだって



「久保ちゃん・・・俺も久保ちゃんのこと好きだぜ?」

さっきと同じ台詞。だがさっきまでとは明らかに違う

「うん。俺もお前のこと、愛してるよ」

目を閉じてゆっくり口付けを交わす





「これはこれで、緊張するな」

ベッドに横になり久保田に身を委ねると、久保田が時任の上に覆い被さってくる

唇から首筋、鎖骨、胸と順番にキスの雨を降らせ、花を散らしていく

「うわっ、これ明日学校どーすんだよ!」

「うーん、絆創膏貼ってけば大丈夫なんでない?」

「ったく、他人事だと思って・・・」

ブツブツ言いながらも本気で嫌がってはいないみたいだ

「これは時任が俺のものって証だからね、たくさん付けとかなきゃ」

「・・・・・・バカ///」

照れる時任に自然と口元も緩む

「なぁ、久保ちゃん・・・やっぱ痛いのか?」

「そうねぇ、最初は痛いかもね」

「う゛〜〜〜」

「大丈夫、ちゃんと優しくするから」

そう聞こえたと同時に秘孔にトロッと冷たいものがかかり、時任がビクリと身体を震わせた

「なっ、何だよ!?」

「何ってローションだけど」

「・・・何でそんなもん持ってんだよ?」

「それは秘密w」





「指、入れるよ?」

久保田が垂らしたローションを塗り込むように時任の秘孔に人差し指をゆっくりと入れる

「あっ・・・」

自分でも触ったことの無い場所に入ってきた久保田の指の感覚に時任は身震いした

「痛い?」

「痛く、無い・・・けど・・・」

ゾクリとした感覚に時任は息を詰める

久保田は時任の表情を見ながら人差し指を奥まで差し込むと、内壁を確認するようにぐるりと中をかき混ぜた

「あんっ・・・!久保ちゃ・・・はぁはぁ、・・・」

「痛くは無いっしょ?」

「痛くない・・・けど、なんか・・・変・・・」

「気持ち良い?」

「・・・よく、分かんねぇ」

不安げな表情の時任に久保田はキスをする

「大丈夫、変じゃないから。俺の指だけを感じてて」

「うん・・・」

時任が頷いたのを確認すると、先ほどまで一本だった指を二本に増やして時任の秘孔に差し入れる


「あっ、・・・んんっ・・・」

出し入れを繰り返しながら徐々に中を広げていくと、時任のモノから先走りが溢れてきた

「段々、気持ち良くなってきたでしょ?」

「んっ・・・あっ、・・・良い・・・」

くちゅくちゅとイヤらしい音を響かせながら奥まで念入りに解していると、快楽に溺れた時任の虚ろな瞳が久保田を映す

「指、もう三本も入ってる」

分かる?と言いながら久保田が三本の指をバラバラに動かすと、中が擦れて、それが気持ち良くて、自然と腰が浮くのを止められなかった

「はっ、ぁん・・・んっ・・・」

「時任って意外と素質あるかもねぇ」

楽しそうにそう言って笑う久保田を睨み付けてみるが、実際自分でも正直すぎる反応を示す身体に驚いていた

「久保ちゃ・・・ん、もう・・・」

「まだ、駄目。もう少しだから」

中がトロトロに溶けて、指だけじゃ物足りなくなって、思わず「もっと」と口に出してしまってから慌てて口を塞いだがもう遅い

一瞬キョトンとした久保田と目が合って恥ずかしさに手で目を覆う

「指だけじゃ足りなくなっちゃった?」

「違っ・・・んっ・・・」

「でも、もう少し待っててね。今、探してるから」

「探してる、って何を・・・」

言いかけた途端、身体を電流が走ったような快感が襲う

「あああっ!!」

「何って、時任の良いト・コ・ロw」

久保田が探り当てた場所を指の先でグリグリと押すと時任の身体がビクンと跳ねた

「んああっ!!」

「ここ、前立腺。すごく感じるでしょ?」

見つけた場所を時任に教えるようにコリコリと引っ掻く

「っ・・・ああっ・・・んっ・・・やだっ・・・そこ、ばっか・・・」

与えられる刺激がそこまで強くないのでイクことも出来ずに、時任は久保田の指からなんとか逃れようと身を捩る

「本当に嫌?身体は正直なんだけどねぇ?」

久保田はそう言って、はち切れんばかりに上を向いて蜜を滴らせている時任自身をやんわりと握った

実際、時任も強すぎる快楽に支配され何も考えられなくなっていた

「久保ちゃ・・・もう・・・良いから・・・久保ちゃんが、欲しい・・・!」

気持ち良くて、でもまだ足りなくて、早く久保田自身で中を満たして欲しかった

「お前、俺の理性試してんの?そんな顔で、そんなこと言われたら我慢出来なくなるんだけどねぇ・・・?」

今だってかなり限界なのだ

それでも何とか理性を総動員して時任の負担にならないように時間をかけているというのに、当の本人がこれではその努力も長くは続きそうもない

「時任、挿れるよ?力抜いてね」

「・・・う、ん・・・」

時任の両足を抱え、腰を持ち上げて久保田は自身を少しずつ中に埋めていく


「ん、はぁ・・・ああっ・・・!」

「痛い?」

いくら慣らしたとはいえ、一度も受け入れたことのない身体に押し入ってくる異物感は拭えない

「ん・・・痛い、けど・・・大丈夫・・・続けて、久保ちゃん・・・」

「うん。もう少しだから、ね」

時任が息を詰めて痛みに耐えているのに気付き、それを少しでも和らげようと前をやんわりと扱く

「あっ、・・・ん・・・」

意識が逸れたのか、後ろの締め付けが少し緩んだ隙に久保田は腰を使って更に自身を埋めていった

久保田のモノがズブズブと中に入っていくのがハッキリと感じられて時任は背筋をゾクリと震わせる

「久保ちゃん、が・・・中に、入ってくるのが・・・分かる・・・」

久保田のそそり立ったモノが柔らかく解した時任の内壁を押し広げて中に入っていくのに合わせ、時任の口から喘ぎ声が漏れる

「時任の中、熱くてトロトロになってる」

最奥まで挿れると久保田はそのまま馴染むまでじっと待つ

「全部入ったの分かる?」

耳元で囁くと繋がったところがきゅっと収縮した

「うん///・・・俺の中、久保ちゃんで・・・いっぱい・・・」

「痛みは?」

「無くはないけど・・・でも、それだけじゃなくて・・・」

恥ずかしそうに俯く時任の顔は真っ赤になっている

「気持ち良い?」

「・・・っ・・・こんな感覚初めてだから、よく分かんねぇ・・・」

「俺は気持ち良いよ?お前の中、すごく温かくて・・・お前に包まれてるのが堪らなく心地良い」

「・・・久保ちゃんも気持ち良いなら、良かった」

ホッとしたように笑みを見せる時任の汗で張り付いた前髪をかき上げてそっとキスを落とした

「動いてもいい?」

「・・・あんま、激しくすんなよ?」

「大丈夫、優しくするから」

コクリと頷いたのを確認すると、奥まで埋めた自身をゆっくり引き抜いていく

「ああっ!」

背中を反らせて声をあげた時任を見て久保田は思わず動きを止めて顔を覗き込む

「痛い?」

「違っ・・・いいから・・・止めんな・・・」

「ん。痛かったら言いなね?爪立てても良いから」

時任の様子を見ながら、途中まで引き抜いた自身をまたゆっくり中に埋めていく

「ああっ・・・ん・・・はぁ、はぁ・・・あっ・・・」

抜き差しに抵抗が薄れてくると久保田は徐々に動きを早めていき、時任の奥深くを抉るように律動を繰り返した

「あん、・・・っ !・・・久保ちゃ・・・奥、まで・・・入って・・・ああっ・・・はぁ、はぁ・・・」

「でも時任、すごく気持ちいいって顔してる」

「っ・・・ん・・・気持ち、いい・・・」

熱に浮かされ喘ぐ時任の姿に久保田の理性も切れかけていた

「時任、ごめんね。俺、もう我慢出来ないみたい」

久保田の言葉に、いいから、と少し掠れた声で時任が答える

「・・・我慢、しなくていいから・・・久保ちゃんにも、気持ちよくなって欲しい・・・」

「うん、一緒に気持ち良くなろうね」

さっき見つけた時任の良いところを角度を変えながら何度も深く突き上げると、時任が悲鳴のような嬌声を上げ背中を仰け反らせた

それに合わせるように秘孔がきつく締まり、時任が久保田の背中に爪を立てて引っ掻いた

「あああっ!・・・久保ちゃん、・・・久保ちゃん・・・っ・・・あん・・・」

何度もうわ言のように久保田の名前を呼びながら、もっと深くまで繋がろうとするかのように時任がしがみついてくる

「時任、好きだよ」

「・・・俺、も・・・好き・・・久保、ちゃん・・・あっ・・・」

深いところで繋がったまま貪るようなキスをする

「一緒にイこうか、時任」

時任が頷くと久保田は腰を使ってより深く激しく時任を攻め立てた

「んんっ!・・・あっ・・・久保ちゃ・・・激し、すぎ・・・も、出る・・・あ゛あああっ!!」

ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響く中、時任は一際甲高い声を上げて白濁を放つ

それと同時に久保田も時任の中に己の欲望を吐き出したのだった





時任の中に全ての欲望を放った後、わずかな余韻を残し久保田が時任の中からズルリと自身を抜いた

「ああっ・・・!」

だが、敏感になっている今の時任には抜くのにも酷く感じるらしく、辛そうに甘い声を漏らした

「抜くのにもそんなに感じちゃうんだ?」

「っ、誰のせいだよ!」

瞳には強い光が宿っているものの、先程までの快楽が身体を支配していて思うように動けない

「まだ足りなかった?」

「もう、いい・・・これ以上やったら、俺どうにかなっちまう・・・」

「ん。じゃ身体、綺麗にしようか」

ぐったりとした時任を抱え上げると久保田はシャワールームへ向かう

「自分で、出来るって・・・」

「足腰立たないくせに?」

「うっ・・・」

「いいから、大人しくしてなさいって」

シャワーで時任の身体を洗い流すと、秘孔に指を入れてドロリとした欲望を掻き出す

「んあっ・・・!」

「感じる?」

目を閉じて快楽に耐えるようにしている時任の姿に思わず意地悪な笑みが浮かぶ

わざと指をかき混ぜて感じるところをつつくと途端に甘い声を漏らす

「久保ちゃ、・・・ばか!・・・やめろって・・・あんっ・・・」

「だって時任の顔、めちゃくちゃエロいんだもん。俺、またシたくなっちゃったw」

「ふざけんなっ///」

睨んでくるものの潤んだ瞳にいつもの鋭さは無く、久保田は小さく笑みを漏らす

「お前、それ逆効果だから。煽ってるようにしか見えないし。それに・・・本当に、嫌?」

そう聞かれ思わず黙るのは満更でもない証拠だろう

「お前が本気で嫌がるなら無理強いはしない」

真っ直ぐ時任を見つめてそう言うと、時任は照れ臭そうに目を逸らして聞き逃してしまいそうなほど小さな声で、嫌じゃない、と呟いた





結局、シャワールームでも散々喘がされた時任はついに何度目かの射精の後、その意識を手放した

「無理させちゃったね」

意識の無い時任の身を清めながら、見つめる久保田の瞳はどこまでも優しい

「でも、もうお前のこと手放せないみたい」

そして、ごめんね、と呟きながら久保田はその唇にそっと触れるだけのキスをしたのだった





fin.
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あきゅろす。
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