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蛇足
みんなでカレー制作
だいたい彦星と楓は男同士ではないか。

付き合っているわけがない。

付き合えるわけがない。


それに例えこの二人がそのような関係だからと言って何を自分がそんなに気にする必要がある。

そうだ。

気にする必要などどこにもない。

どこにもないではないか。


よしおはそう思い、己の中に巣くう未知なる感情に無理やり蓋をした。

覗いてはいけない。

わかってはいけない。

覗いてしまっては

理解してしまっては

自分は何かとてつもない所まで引きずられていきそうな気がする。

よしおは本能的にそう思い自分の気持ちに目を背けた。


「(そうだ……俺には全く関係ねぇことだ……気にする必要は……どこにもねぇ!)」


よしおが自分の心にそう結論付けると、拳の力を弱めガバリと顔を上げた。


だが

そこにあるのはやはり密着し合う二人の姿。

それを見たよしおは


再び拳を握りしめた。



「(でもな……)



気にいらねぇもんは気に入らねぇんだよ!」

よしおは叫んでいた。

目の前に立つ無性に気に入らない男を睨み付けながら。


そしてよしおの突然の怒声に教室で爆睡していたクラスメイト達が次々と目を覚ます。

「……なんだ?」

「うっせーな、誰だよ」

「……おめぇら何やってんだ?」


そんな周りの状況など一切お構いなしによしおはひたすら睨みつけた。

最高に気に入らない男。


三木楓を。


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あきゅろす。
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