蛇足
解決編
問われた彼らは今にもチビりそうな顔をして蛭池を見ている。
「そうだそうだ!どんな手使ってそんな仲になりやがった!」
彦星が割って入るが、蛭池も不良達もアウトオブ眼中。
「俺が察するに、楓をパシろうとしたんじゃねぇのか」
「何?!友達じゃ飽き足らずパシリまでやらせてたのか?!ヒデェ!」
「ちちち違います!あ、いやその……えと」
「違う?!じゃあお前ら楓の何なんだよ!」
「違わねぇんだな?」
「はぁドッチだよ!ハッキリしろよ!」
黙れよ彦星。
仕方なく楓は彦星に近付いていき、息荒く上下する肩をぐいっと引っ張った。
「もういいよ彦星。蛭池君も」
「楓!」
「…まぁ未遂だった訳だしな。楓がそう言うならもう追求しねぇさ」
「ミスイ?!何だよそれ!」
「……とにかく、もういいから」
ダメージはもう十分与えられたろうから。
見れば、蛭池に問い質された不良達はひとり残らず腰を抜かしていた。
見た限りだと他の不良達も蛭池は恐いようだ。
多分、これから彼ら含めた今いる生徒たちは楓をカモるような事はしないだろう。
余計な出費がなくなって有り難い。
持つべきものは何とやら、だ。
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