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関係転換学各論
その5:*****

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「坂本君さぁ、ちょっとは一君の事、気ぃ遣ってあげたらどうなの?」

「彼女取られたからってさ、裏でコソコソとか、マジで男としてどうかと思う」

「自分の人気取られたのがそんなにムカついたわけ?ちょっとそう言うの逆に見苦しいと思うんだけど!」

「男子全員でさ、汚いよね」



あれ。

俺は自分の置かれた状況に、ただとりあえず疑問符を浮かべるしかなかった。

こういうのって、普通、女子が女子にやる事じゃないのか。
俺、男ですよ。
つーか、姉ちゃんの漫画じゃ、ここに居るのは多分栞の筈だが。

いや、別に栞が苛められて欲しいわけじゃないけどさ。

でも

どうしてこうなった?



俺はいつもの如く、いつものように家に帰ろうとしただけなのに、いつの間にかクラスの女子……いやクラス以外の女子もいるな。
とりあえず、10人程の大量発生した女子に体育館裏まで強制連行された。


そして、

今に至る。




「一君はさ、転校してきたばっかなんだよ?男子も男子で話しかけてあげなきゃ可哀想じゃん!」

「あれじゃ、一君。栞としか友達作れないでしょう!?」

「坂本君が、男子全員に何か裏で言ってるんでしょ?うちら受験前だよ!?そう言うガキっぽい事まじでやめなよ!?」


えっと、怖い。
一言で言うと、超こわい。

マジで、怖い。

しかも、彼女達の口ぶりで行くと俺がアイツを嫌っていて、クラスの男子を率いてアイツを苛めてるみたいな雰囲気になっている。

なぜそうなったし……。
大体、俺がまともにヤツと話せていないのは、女子がアイツの周りから離れないせいだろうが。

つーか、これ明らかに栞に対する嫉妬を俺に向けてきてる。

きっと副音声はこうだ。
「あんたら男子が一君に話しかけないから、栞が一人勝ちしそうになってんだよ。いいからテメェら栞をちょっと一君から引き離せよ。この野郎」

ってとこだろう。

もうお願い勘弁して。
こう言うの勘弁。

俺だってアイツとは喋ってみたいよ。
カリスマだし。
スゲェ、キラキラしてるし。

いいの?
喋っていいんですか?


「あの、俺、別にそう言うつもりじゃ……」

「そうやってしらばっくれないでよ!?」

「男の癖に、言い訳ばっかしてサイテー!」


うーわ。
最近まで俺に対しては若干媚びるような目を向けてくれていた子達が、集団で狩りをする狼のようになってしまっている。めちゃ怖い。

俺、もちろん羊。

『男は狼なのよ、気をつけなさい』

あの歌詞絶対違う。
狼なのは女子の方だ。

だって、こんなに怖いんだから。


「とにかく!一君がこのまま男子から孤立したら、私ら、坂本君の事けっこう見損なうわ」

「ちょっとカッコイイからって調子に乗んないでよね!」

「…………はい」


俺はそう、一言頷くしかできなかった。


ここで首でも振ってみろ、次の瞬間俺は狼たちにどんな制裁を受けるかわからない。


あぁ、もう。

女って怖い。 

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あきゅろす。
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