※都合のいい女
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それから。
マサノリから頻繁に連絡がくるようになり、それはもうまるで恋人のような甘い時間を過ごす事が多くなった。
(最近彼女とどーなってんのかな‥?)
(気になるけど‥聞けない)
ある週末の夜。
居酒屋。
リエとマサノリが食事をしていると、1人の男がマサノリに声をかけてきた。
「よお!」
「ヒロさんじゃないすか!」
ヒロという男。
マサノリの1つ上の先輩だ。
ヒロはリエを見ながらマサノリに話し掛ける。
「何?誰?新しい彼女?」
リエは軽く会釈をした。
「飲み友達ですよ」
(『友達』か‥)
「へえー」
ヒロはマサノリと少し話した後、ニヤニヤしながら自分の席に戻っていった。
リエは改めて自分の肩書きが『セフレ』だという事を痛感した。
(『彼女』って言われたい‥)
(いつか『彼女』になれるのかな‥)
そんな事ばかり考えていた。
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