main_10|07|03 少しばかりの(天戦)※
※18歳未満閲覧禁止
※してるだけ

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執拗に突き上げられる度に漏れる声に、羞恥が掻き立てられる。なんて声を出してるんだ、俺は。生理的なものではない涙が俺の目に膜を張った。
どれだけ必死に抑えようとしても、どうしても声が出てしまう。仕方なくシーツを噛み締めた。
屈辱的な姿だが、これ以上雌猫のように喘ぐより幾分かましだ。


「声、何で、抑えるんです」


問いではない、笑うような声が耳に注がれる。その刺激にさえ身体を震わせると、今度こそ天草は笑った。
敏感、と呟く天草を殴り飛ばしたくなった。
肩越しに振り返り、思った通りの軽薄な笑みを浮かべた天草を睨みつけた。天草は笑みを深め、何の言葉もなく俺の前に手を回した。


「…っん、ぐ」

握られ、くぐもった声が僅かに漏れた。天草の動きは変わらず激しく、それに手の動きが加わる。高められていく火照った身体に、射精感がぐるぐる巡った。目の前が、ちかちか瞬く。あ、駄目だ。


「んっ、……っ!!」


全身に力が入り、そして弛緩した。射精後にどっとわく疲労感に急激に眠気に襲われる。
しかしずるりと体内から引き抜かれる感覚に俺の意識は現実へと引き戻された。


「…あまくさ、」


何となく呼んだ声が甘えるような声音で、恥ずかしさで死にそうになった。天草ははい、と真面目に答えて、身体を起こした俺の頬を優しい手つきで撫でる。いつもと違う、薄っぺらい笑みではなく、頬に触れる指のように優しい微笑に、気恥ずかしくなって目を逸らした。



少しばかりの





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