main_10|04|02 ひょっとしたらカニバリズムにも似た、(天戦)
※病み草

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できることならいっそのことどこかに閉じ込めて、誰の目にも触れぬ様にしてしまいたい。俺はあんたがいなくちゃ生きられない。あんたも俺がいなくちゃ生きられない。そうならどれだけ幸せだろうと思う。
その目に俺だけ映して、その耳で俺の声だけ聞いて、その口で俺の望む言葉だけを吐き出して。そうであってくれるなら、いい。でも現実はそうじゃない。
(俺だけが彼を独占するなんてできやしない)
相変わらず今日もあんたは誰彼構わず笑顔を振りまいて、俺の知らないあんたが増えていく。俺の気も知らないで、愛おしそうに妹の頭を撫でる。それを傍で見ている俺が、どれだけの思いで居るか知りもしない。あんたが誰かとほんの少し触れ合うだけでも嫉妬で狂いそうだ。ぐつぐつと煮える様な腹の底をやり過ごして愛想笑いを浮かべることが、じわじわ苦痛を溜め込んでいく。知らないだろう?
いっそあんたを知ってる奴ら全員の前で犯してやりてぇな。足を開いて啼いて善がるあんたの姿を、俺しか知らないその姿を見せ付けてやりたい。この人は俺の所有物だって。でもそれはあんたを深く傷付けてしまうだろうから、本当にしようとは思わない。別に、あんたを辱めたいわけじゃないんだ。ちゃんと愛してやりたい。大事に大事に、何にも傷付けられない様に。だからいっそ閉じ込めて、それこそ死ぬまで俺だけのものにしてしまいたい。
ねえ、優しいもんでしょう?



ひょっとしたらカニバリズムにも似た、

恋。

あなたが好きだから、愛しているから、それ以外には何も無いから。だからそこに行き着くんでしょう、ね。






あきゅろす。
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