いくらここで駄々をこねても行ってしまうなら顔も見たくない。子供のように泣き叫んだって服の裾を握ったって襟足をひっつかんだって。(捕まらない。) 趙雲。 苦笑いしたって駄目なんだからね。優しく髪を撫でてくれたって頬にそっとキスをしてくれたってぎゅうと抱きしめてくれたって。(行かないで。) 趙雲。 「いってきます」 あと何回趙雲はいってきますを言うのかな。あたしはあと何回おかえりを言えばいいのかな。(分からない、)無事に帰る保証なんてない趙雲を待つあたしにはさようならさえうまく言えないよ。 上手なさようならの仕方 あなたを置いていくのはとても心苦しい。その苦しさを糧に必ず帰ると嘘を吐くから、だから(まだ、)さようならは言わないで。 上手なさようならの仕方 (当分知らなくていい。) (20090306) |