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風紀と度胸



実は私、合唱部に所属しています…!
(お話しには部活入ってるのかすら記載されてませんでした…アハハ)



運動能力は皆無に等しいので、当たり前のごとく文化部から選ぶしかない…。
自分でもわかりませんが、なぜか美術部より合唱部を選ぶという…不思議な選択をしてしまいました。


ポップス系は全く知らないけど、歌うこと自体は好きだから…まぁ間違ってなかったと思いますよ!










授業が退屈で瞼を閉じて寝入るような時間帯も、部活ではおめめパッチリで活動します!



いつものように腹筋・背筋、発声練習をこなし、パートに分かれて音取りを開始。


先輩の指導のもと、練習に励んでいます。たまに一人で歌わされることもありますが、そのときは泣きそうになります


休憩中には先輩と後輩を交えて、ドラマの話や漫画の話をしたり他愛のない会話につくづく平凡さを感じます。



そう、私は厄介事に巻き込まれたことはないんです。



最近は男友達もできて、中学校生活をエンジョイ!!しているどこにでもいるような女子中学生でした。





けどそんな日常が変わろうとしていたんだ。
私はあの委員会には関わりたくなかったのだ。











「先生が指導して下さるらしいから、伴奏者呼んで来てくれる?」

『はいわかりました』



先生が指導して下さることは稀で、この重要な機会に伴奏者を連れて来ないわけがない。


部活に参加していない、この伴奏者。
後輩に当たるのだけど、副会長に立候補して信任投票で決まったらしい。こんちくしょー、後輩のくせに…!

それで生徒会に勤しんでるというわけですよ。



けど今日は…!という気持ちで、私が絶対に正式に踏み入れることのない生徒会室に向かった。










コンコン

『失礼します』



職員室じゃないんだからこんなことしなくていいんじゃないかと思ったけど、何故かやってしまった。


ドアをスライドさせて中に入ると、目的の副会長と…
あれ?この学校はブレザー指定なのに、学ランを来た二人が見えるんですけど…!



内心かなり焦った。
この事実を受け入れたくないがために、一度開けたドアを閉めて「生徒会室」という表札を確認し、また開けた。



こんなときに何で風紀委員がいるんだ?どんだけ運悪いんだ自分?!





「何君?煩いんだけど」

『申し訳ございませんっ…!!』



それに風紀委員長様の雲雀先輩じゃありませんかぁーっ…!!隣のフランスパンは副委員長様の草壁先輩ですし…!





私を尻目に会話は続いていた。



「ねぇ風紀委員会の予算どうなってるの?他の委員会と大差ないんだけど…」

「それは会計が…」

「会計の責任は副会長である君の責任でもあるでしょ。今すぐ修正しないと咬み殺すよ



雲雀先輩はトンファーを常備しているとは聞いたことあるけど、まさか本当にね…。

そしてトンファーを構えていらっしゃる…。よほど気に入らなかったのかなぁ…。



後輩を見てみると、怯えて泣きそうな顔をしていた。
どうしよう、私にできること…。





『あのよろしいですか…』

「何なのさ君」

『副会長さん、すぐ音楽室に行って。合同練習するみたいだから、貴方がいないと始まらない』

「でも…」

「勝手に話を進めないでくれる。そんな用件どうでもいいよ。早く修正しなよ、今の僕は機嫌が悪いんだから」



そう言って、トンファーを構え直す。鈍感な私でさえも雲雀先輩の機嫌の悪さはわかる。



『なら私がやりますから!副会長さん簡潔に分かりやすく教えてくれる?』

「はい…。えっとですね…これはこうして…」



鋭い視線が突き刺さりながらも、ない頭をフル回転させて理解しようとした。

本当なら生徒会に所属していない私がこういうものに関わっていいはずがない…。


けどほっとけない私の性格が故に、関わりたくない委員会と関わる羽目になってしまっても後輩を助けられるならと思った。



「生徒会でも況してや何の委員会にも所属していない君が、勝手に予算をいじっていいと思ってるわけ?」

『私は副会長の代わりを務めるだけです。副会長が手順を書いてくれました。これならいいですよね』



メモしたプリントを雲雀先輩の顔の前に出した。

不服な表情をしていたが、「一つでも間違えたら咬み殺す」と脅されながらも承諾を得ることに成功した。

後輩は音楽室に駆けて行った。事情説明してくれるとは思うけど、助けには誰も来ないよね…



表面上は冷静を保っている感じが受け取れるかもしれないが、小心者には辛いよ。雲雀先輩にもの申すなんて…定番の咬み殺すキターっ!!

私今なら「I can fly」叶えられる気がする


心はいつbrokenしてもおかしくはなかった。









パソコンを起動させ、予算割り当てを開いてみると、明らかに他の委員会と一緒だった。

雲雀先輩には悪いけど、世の中みな平等精神で行こ「聞こえてるよ」

『にょへ。マジすっか』


首にトンファー当てながら答える雲雀先輩。
私咬み殺されるぅー!!ガチガチに固まった女子生徒がいた。





そんなこんなもあったけど、
作業は難なく終了し、修正は無事完了した。

雲雀先輩は予算の修正案を見て、満足しているような様子だった。


私は大きくため息を吐いて、成し遂げたよ私…お釈迦様と沈んでいく夕日を見ながら、倒れた。





「草壁、地に伏せた草食動物の情報をピックアップしといて」

「はい。…しかし、なぜ?」

「この子を見ていると、なんだか沢田綱吉に似ている気がするからね。強いのか弱いのかよく分からない雰囲気を持った…」



そう言い残して、踵を返す二人の影が生徒会室から消えた。


あの最恐の雲雀恭弥に気に入られたのも知らないまま、倒れて寝ている姿は正にアルカイックスマイルだったという。

















(あれ私何してたんだろ)
(大丈夫ですか先輩、ずっと寝てましたよ?!)
(うそぉー!!)
(ありがとうございます…!!)
(どうもいたしまして、気に知られんな!)



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あきゅろす。
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