[携帯モード] [URL送信]
授業中の居眠り講座



『お腹いっぱいだー。5限目って社会だよねー。私絶対寝る宣言します!』

この人授業を何だと思ってるの?


どうも沢田綱吉です。
ほんと俺しかツッコミがいなくて困ります。俺の周りはどうしてボケばかりなんだ…!

まぁとにもかくにも、
もはやボケてるかわからない彼女…沢崎志歩は授業中に寝るようです。





授業の始まりのチャイムが鳴ったのに先生が来ず、生徒による騒がしい声が教室内を満たしていた。

まぁ俺も黙って待っていることができない不特定多数のうちの一人だけど、女の子は特にそうみたいだ。

昨日席替えがあって、今話題に上がっている志歩ちゃんの左隣に俺がいる。

で、とある女の子は志歩ちゃんの肩を叩いて、後ろを振り向かせ、話しかけていた。


「また志歩寝るの?4限も寝てなかった?」

『にょにょ黒川さん、よく観察しているね〜。いい心がけだ!』

「あんたが私の席の前にいて視界に入らないわけないでしょ。それに黒川さんじゃなくて、花でいいわよ。いい加減、人見知り癖直しなさい!」

『ごめんなさい、花』

「はぁ〜っ…。ほら敬語出てる!敬語も禁止ね」


彼女の後ろの席には黒川花がいる。
彼女が寝ることに関して茶々入れたみたいだ。


「それはおいといて
寝るスタイルが本寝してますよっていう突っ伏しスタイルとはね…。志歩がそうしているせいでこっちは先生から丸見えなのよ」

「黒川、それどういう意味?」


黙って聞いていたのだが、意味がわからない俺は気になって志歩ちゃんと黒川の会話に介入してしまった。


「なによ沢田。女の会話を勝手に盗み聞きしてるなんてサイテーね」

「仕方ないだろ、聞こえちゃうんだからさ…!」

『なになにツナくんも居眠り談義に参加したいのかい?』


何を勘違いしたのか志歩ちゃんはニヤニヤ俺を見てくる。


「今の発言意味わからないわよ志歩!」


黒川ナイスツッコミ!!


「…ゴホン…先生から私の姿見られたら困るの。内職するんだから」

「?」

『つまり私が寝ていなければ、私の身体を盾に先生からの視線を防げるってわけだ。わかったツナくん?』


なんか俺がバカなんだと再認識させられているのは気のせいだろうか。


「あ、うん…なんとなくわかったけど。それなら黒川は何してるの?」

「一言で言うなら、野球部のマネージャーやってる友達の手伝いね。
明日野球部の試合があって、頑張ってという意味合いも込めてミサンガ編んでるんだって。けど明日の試合始まる前には渡したいし、作るのその子だけじゃ大変そうだったから私も手伝ってあげてるわけ」

『偉すぎる…!感動ものだね…友情って素晴らしい!授業時間を有効活用してる…!』


ってなんかおかしくないか…!!


「ちょっと待ってよ!授業中は勉強するための時間だろ…!!それを偉いとか、逆に間違ってない?」

『もうツッコミ沢田氏、君は心は真面目だな。(身体は伴ってないくせに…)』

「これは仕方ないのよ。それに、そんなの沢田に言われなくたってわかってるっうーの」

『学校は勉強しに来てるだけじゃないの。人間関係も学ぶところなのよ』


女二人に圧されて、男なのに俺情けない…。
言いたいことわかるけど、素直には認めたくないな…



この会話で先生が来たので授業が始まってしまった。

寝る宣言をしていた志歩ちゃんだったが、なんとか寝ずに堪え忍んでいたみたいだ。
隣で退屈そうに眠そうに教科書を読んでいる志歩ちゃんを横目で見ていたが、頑張っていたと思う。

なんとかミサンガも授業中でできたみたいでよかったのかな?










授業終わって帰り道。
俺と獄寺くんと山本そして志歩ちゃんとで帰っていた。
明日試合のある山本だが、今日はゆっくり休めという監督からの言葉で、俺たちは一緒に帰れている。

不意に今日の居眠り話題を呈したのは志歩ちゃんだった。


『あのさ、獄寺くんと武くんは授業中居眠りしたりしないの?』

「あ゙ぁっ?」

「いつもバッチリ居眠りしてるぜ〜」


各々の返答に少し苦笑いしてしまった。


『武くんは話がわかる奴だわ〜。居眠りしちゃうってあるよねー』

「まぁな!大会近いと朝練もあって、結構ハードだから疲れて寝ちまうんだと思うぜ!」

「だからてめぇは能天気な野球馬鹿なんだよ…!!」

獄寺うっさい。ちなみに寝るスタイルは?』

「うーん、と…寝てるって先生にバレたくないからさ、教科書読んでいるふりして立てといて…後は本気で寝る!」

『もしかして突っ伏して寝ちゃったり…!』

「あぁそうだぜ!そうじゃないとちゃんと寝れねぇしな!」

『私と一緒やん♪』


なんか山本と話盛り上がっちゃってる…!!


「やっぱおまえらアホだぜ。…人生の約3分の1は睡眠に当てられてるっうーのに時間を無駄にしていることがわかんねぇのか!!」

「そうなんだぁー。よく知ってるね獄寺くん」

「そうなんっすよまぁ確かに…授業がつまんないっていう先公の問題もあるだろうが、授業中は寝んな!」


よく言った獄寺くん!
俺とおんなじところに気づいてくれて嬉しいよ!
君だけは常識人って信じてた…!!


『じゃあ獄寺くんは授業はちゃんと受けてるっていうの?』

「はぁ?んなわけねぇだろ。かったるい授業真面目に聞くだけでおかしくなるぜ」

「じゃあ何してんだ?」

「そんなのG文字の開発やUMA特集雑誌読んでるに決まってんじゃねーか」

「…それはそれですごいのな」

」→沢田くん

『なんだぁー。結局私たちと一緒じゃん!同志だね

「おまえらと一緒にすんなー!!」



いいや、獄寺も山本と志歩と同類だ

…。10代目っ?(^-^;)

『わぉ、イケメン化したツナくんが静かに怒ってらっしゃる…。さぁ、早く帰って寝よ!!』

「…俺も明日試合あるし…じゃあな獄寺…!」


まぁ待て。おまえたちにも話したいことがある。ゆっくりしていけ

『「…」』

「じゃあな志歩、また学校でな!」

「頑張って逃げろよ」

『ちょっ何で逃げんの?!待って置いてかないでよぉぉぉ!!!!!』


山本と獄寺逃亡…


ガシッ
「志歩は残ってくれたのか?」

『ぎゃぁーっ!お助けをォォォォォ…!!』


あれから断末魔の叫びが並盛中に響き渡った。

ハイパー化してまで抗議するのは俺としてもどうかと思ったが、志歩の様々な反応が見れて面白かった。

最後になるが、学生の本業は勉強だ。
怠ってはいけないことを肝に銘じておけ。













(中学校って義務教育だしね)

[*前へ]

15/15ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!