[携帯モード] [URL送信]
私とパイナップルの1日



お弁当持って、スケッチブック持って、絵の具セットや筆箱持って…行くは並盛公園レッツゴー!!









こんにちは!

この間の写生大会に欠席してしまったため(平日開催)、私一人だけで公園に向かっています。
もちろん休日だからね、学校さぼってないからね!

今日は運良く快晴。
湿気なんてわかんない、カラリとした空の下…風を切りながら自転車をスイスイと漕ぐ私。
ビジュアル的にも最高な日だよね!


『到着ー!!』


公園に到着した私は、まずは一応広い園内を一通り見て回ることにした。

いや、やるからには最後まで懸命に頑張りたい。
絵を描くのは結構好きだったりするので、別にぜんぜん苦じゃないし。





『なんだか楽しそうだな〜』

公園内をしばらく歩いていて、気付いたことがある。

やはり快晴+休日。
家族連れが多いことだ。
芝生が広範囲に整えられてるので、ボール投げやフリスビー、バドミントンなどで遊ぶ人が多い。

楽しそうにはしゃぐ声、笑顔が溢れている表情。
なんとも微笑ましい光景につい私も笑みがこぼれる!


さて変わって遊具場に移動。
わぉ、子供たちがいっぱい。
滑り台や編みネット?ひも?に群がっている。

ひもに股がって、シャーっと移動する遊具
(↑馬鹿で説明できない)
に関しては私が一番大好きなもの。
もちろん今でも好きだよ!

だけど中学生だし自重すべきと思って、駆け出したい衝動を抑えていた。
でも、、、
欲望を抑えるのは体に毒だよね〜、まぁ童顔だしスカート履いているわけじゃないしやろうっと!

なんとも情けない中学生である。



荷物を木の幹下に置いて、今か今かと幼稚園児や小学生たちの後に並んで順番を待っていた。
ただ悲しいことに全く違和感のない沢崎。
その姿を遠くから眺める人影があった。


『やっほーい!!!!!』


声を出して何回もやる中学生が痛すぎる。
自覚しない奴ほど怖い。

彼女は満足して帰ろうとした矢先。


「クフフフフ…。中学生のくせに恥ずかしくはないのですか?」

『はふっ、びっ、ビックリしたぁぁぁ!急に後ろから声掛けないでくださいよ』


後ろから声を掛けられて、声の方に振り向くと知らない男がいた。
見たことない制服に、身長高くて、超イケメン。
ただそれもものともせず、気になったのは…


『髪の毛がパイナッポー?』

「クフフ、僕の髪…素敵で固まっているのですね。それも仕方ない、なんせ僕が完全無欠だと証m『ナルシストも大概にしろ

「グスン…」

『何で私が中学生だと?』

「それは秘密です」

ストーカーで訴えます

「…あなた、よく沢田綱吉と絡んでいますよね。獄寺隼人と山本武とも」

『いやークラスメイトだからですよ、ただそれだけじゃないですか。
あなたあれですか、愛しの綱吉くんに近寄んなみたいな、BLですか?

「クフフ、なぜ僕が男を好きにならなくてはいけないのですか?女が好きに決まっているじゃないですか」

『それもそれでうざいな。
あなた他校生なのに、ツナくんたち知ってる時点で警察送りだよ』

「…言いたいこと言ってくれますね。

僕が彼に興味があるのは、彼の血筋、立場ですよ。そしてこの世界を血で染め上げる。彼は僕の標的にしかすぎません」


パイナポーの表情が変わった。私でもわかる。
暗く冷たい目で私を射抜く瞳。
背筋がビクッと凍るような感覚に彼から視線を反らした。


『私に何か用ですか。何もなければ用事あるので帰ります』

「彼に興味あるようにあなたにも興味あるんですよ沢崎志歩。
…沢田綱吉があなたに心動かされている。沢田綱吉を堕とすのは骨が折れますからね。あなたという存在に何かあったら、彼は取り乱すはずです」

『…沢田綱吉を堕としたいなら、仲間を傷つければいいだろ。そしたら彼は黙っちゃいない。それに取り乱したいなら、笹川京子を攻撃したらいい』

「クハハハハハ…!
沢田綱吉を甘く見すぎですね。
それに、彼にとって笹川京子は好きの対象ではない。彼は自分の気持ちに素直になれないだけです」

『意味がわからない』

「どうして彼はあなたに魅せられるのでしょうね。
あなたは笹川京子の太陽的存在とは違う。どこまでも冷たく暗い人だ。そこは僕と似ているかもしれない」

『一緒にしないでください』

「そうですね、あなたには戦う力はない。これがいい証拠です」


パイナポーはすばやく私の首に何かを当てた。
なんだろう槍?だろうか。鋭利な刃が私の首下に少し刺さった。

怖いと思った。
ぷすっと皮膚に刺さると、少しだが血が流れ出る。

私は今心臓の鼓動が早く脈打って、汗も尋常じゃない。
心臓の鼓動は恐怖で動いている。
この男から逃げたい。


「やはりあなたは非力な女の子。
…すいませんね、少しやりすぎました。変わりにあなたの用事に付き合いますよ」

『…はぁっ、ハッ…あなたは私を殺したいんですか…』

「いえ、あなたを殺すつもりなんてないですよ。安心して下さい」


頬が少し上がって微笑むパイナポー。
けど彼の言う通り、彼は私に似ている気がした。

かわいそうに思った。









それから血を拭き取り、彼からもらった絆創膏で処置をした。

気になったのは、周りの人たちは私と彼のやりとりを見ていなかったのだろうか。
端から見れば、槍にやられて襲われている姿。警察沙汰になっても当然の数分前。
しかし誰一人反応しなかった。

まるで彼と私のいる空間だけ時間が止まっていたような気がする。


「どこに行くのですか?そちらは池ですよ」

『今は危険人物のあなたからみんなを遠ざけたい気分なんです』

「クフフ心外ですね」

『…』


私は彼の言葉を無視し、湖方面を目指した。
まだ池なら芝生の広場よりも人が少ないはず。


『ふぅー。池が太陽で反射してピカピカ光っているわー』

「なんか棒読みじゃありませんか」

『いちいちツッコムな…
さてと絵でも描きますか』


池付近のベンチに座り、鞄からスケッチブックと鉛筆を取り出して、池のスケッチを始めた。
もう絵を早く終わらせて、帰りたい。
当初思っていたこととは違くなっていた。


「結構上手いんですね」

『ありがとうございます』

「宿題か何かですか?」

『私写生大会休んじゃったんで、後から課題ですね』

「…そうですか。上手くいけば、賞狙えますよ」


パイナポー改め六道骸さん(←年上みたい)は、私に話しかけていた。
気が散るのでやめてほしかったが、まぁいいや。


そろそろお腹が減ったので、色塗りに入る前にお弁当を食べることにした。


『何か食べるものは?』

「ないですね」

『半分食べますか?』

「おや、いいのですか?」

『不味くても保障できませんよ』

「大丈夫じゃないですか、ほぼ冷凍食品みたいですし」

『それは言うな』


それぞれのおかずを半分こにして、私から先に食べて…箸を逆さにして後から食べてもらった。


食べた後は真面目に色を塗った。

彼は空気を読んでか声を掛けることはなかった。
彼は私の隣に座りながら、目を閉じている。


『やっと終わったぁぁぁ』


数時間かけてやっと完成した絵を遠ざけて見た。
我ながら良い感じではないか!


「お疲れ様です」

『いえいえ。六道さんも長い間ボーッとしていて、つまらなかったでしょ』

「そうですかねぇ。あなたの描いている時の表情、コロコロ変わって面白かったですよ」

『はぁっ!?そんなの見てたんですか、変態すぎる…!

輪廻、廻らせますよ


全て終えて公園を出た後、第2の事件が起こった。


「変態南国果実、なんで並盛にいるわけ?フルーティな匂いは大嫌いなんだ、咬み殺す」

「おやおやこれは奇遇ですね雲雀恭弥。僕もアヒル顔見るだけでヘドが出ますからね、廻ってください」


公園を出たら…パトロール中だったらしい並盛の重鎮・雲雀先輩が六道さんと鉢合わせて、乱闘になった。
トンファーと槍がぶつかり合って、カキンカキンといい音が鳴り響く。

そういえば、この二人の関係はなんなんだろうか。


もう考えるのも疲れた。
そう結論付け、自転車のペダルに足をつけて自宅に帰る。



六道さんは怖いけど、
キライではないかもしれない。













(クフフ楽しませてもらいましたよ)
(暗い世界にあなたを引き込みたい)



[*前へ][次へ#]

14/15ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!