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3.水面を淀ませるのは


ちゃぷ…



私はさっきまで雲雀さんが入っていたお風呂に浸かっている。
溢れたのかいつもより少ないお湯。まあ仕方ないですね。
おそらく私との身長差は20p程あるでしょうからね。
狭かっただろうに…。


意味もなく水を救い上げたりぱちゃぱちゃと弄ってみる。


「は…ぁ……」


出て来るのはため息ばかり。
昔の記憶と今の自分。






私はほんの少し前まではこことはるかに離れた土地で暮らしていた。どこかの富豪の養子として育てられていた気がする。家は豪邸で庭は手入れしつくされた薔薇園が広がっていた。私は何不自由なく暮らし、日々を楽しく過ごしていた。


それを一夜にして変えたのが富豪夫婦の実の子供、私の兄に匹敵する人物だった。兄は突然武器を振りかざし、家族を襲った。両親は血と肉片だけになり、側近や身内のものも皆殺しとなった。

唯一助かったのが私。

でも、今思えば私もその時に死んでおけばよかった。


それからは…


もう思い出したくもない。

私は今も残る惨めな傷を身体中に植え付けられただけ。





ぽちゃん…



私の目から滲み出た水が水面を淀ませた。

久しぶりに泣いてしまったようですね。

私は痛む腕でぐいっと涙を拭って浴室を後にした














****



「君はどうするの?」

「ですから、床でいいです。」

「馬鹿じゃないの?風邪ひくよ?」
「平気です。」

私たちが言い合いしているのは今日の寝床のこと。貧乏な私は布団一組だけしか所持していない。

「君…頑固なんだね。」

「ええ。お客様を床に寝かせるなんて事出来ません。」

「この僕が君に譲ってるんだから素直に聞きなよ。」

「いえいえそれはお受けすることは出来ません。」


一行に言い合いは終わりません。雲雀さんも頑固な方ですね。


「じゃあこれならいいでしょ」
「!」

私は今布団の中。雲雀さんも布団の中。
つまり―…
一緒に寝てるという事実。

「ゃだ……やだ…っ…」



私はまた―…











****



私は裸足で寝間着のまま家を出てきてしまいました…

やっぱり私の癖は治っていないようです…

雲雀さんも驚いておられるでしょうね…



なんとなく人通りの少ない静かな公園に立ち入り、ベンチに座り、自分の腕を見る。

真っ赤に腫れ上がっている腕。
そしてその少し上に薄く見える切り傷の跡。そして点々と散らばる火傷の跡。
もう、消える事はないであろうその傷。



私はダンセイキョウフショウらしい。
触れられるのが嫌、怖い。
抱きしめられたりするともうダメ。今日のように逃げ出してしまう。

いつからなのか私は人との間に一線を引くようになった。その要因の一つはコレ。



何もかも忘れちゃおうと目を閉じる

………きらきら輝く月がうっとおしく思えたのは今日が初めてだった…













展開が急でサーセン(ω・`)
なにしろ文章書くのが下手なものですから…←いいわけ
取り敢えず明るい話だけでは終わらせなくないみたいですね、この管理人は

ギャグ系や甘々系期待していた方がいましたら申し訳ありません。←
あ、甘は後から湧いてこさせる予定なので!←必死ですな

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あきゅろす。
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