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73.抱きしめていい?


信じられないけれど、何年ぶりかぐらいに食が進む

ぺろり、と1皿普通に平らげてしまった


「そんなに美味しかった?」

『はい!とても…』

「お代わりは?」

『……。欲しいです』


本当何年ぶりだろう
食べることが苦痛じゃなくて楽しく感じられる
まだまだ食べれる気がした


「…ハイ」

『いただきます』

旨味が出ていてとっても美味しいビーフシチュー
恭弥様らしい味がする



「……。そうやって楽しそうにしてると…可愛いね」

『!』


恭弥様が頬杖をついたまま珍しくにこりと微笑んだ
恭弥様の方がかわいらしいです!















*****

『ご馳走様。とても美味しかったです』

空になった食器
恭弥様も一緒に食べたことで、鍋のビーフシチューはからっぽになった

「うん。よかった」

食器を片付けて下さる恭弥様
やっぱりとってもお優しい…







「ねぇ霄。」

食器をあらかた片付け終わって、恭弥様が戻ってくる
なんだかほんのり頬が赤い気がする
どうしたのでしょうか?


『はい、なんでしょう?』

「……抱きしめていい?」


初々しい恭弥様…
大人の恭弥様は何も言わずに抱きしめてくるのでなんだか新鮮です
やっぱり可愛い!


『勿論どうぞ?』

「うん…。ありがと。」

ふわりと恭弥様の腕が回って私はしっかりと抱きしめられてしまった
温かくて優しくて…
とても安心させられる…

















*****


細くて折れそうだけど温かくて柔らかい
ぎゅっと抱きしめたら小さいけど霄の胸が…当たって…
なんだか不覚にもドキドキしてしまう


「……。」


細い腰に手を回してみる
そして柔らかな腿を優しく撫でてみた
…なんだか気持ちがよくてクセになりそうだ


『…ん……』



霄は少し身じろいでぴたりとさらに身体を密着させてきて…


どさ



「……!?」


僕の目線の先には頬の赤らんだ霄と天井
…まさか…
この僕が押し倒されちゃうなんてね


『……。恭弥様…』

「な、何?」

『私、本当に…本当に恭弥さん大好きなんです…。』

「う、ん…」

『だから…私、恭弥さんに1番幸せになってほしいんです…』

「うん…」

『なので…。これからも…恭弥さんが1番望む事をなさってくださいね。私のような駄目な人間がいやになってしまったら…すぐに追い出して下さいね…?』

「嫌になんかならない」

『……。』

「僕だって君が大好きなんだよ。君には1番幸せになってほしいし…。だから君も僕が嫌になったら逃げればいい。追い掛けはしないから」



少し涙目をした君の唇に自らの唇を重ねた














ちょっと危ない方向へ進みそうになりましたがなんとか…

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あきゅろす。
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