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68.和風ハンバーグ



…さっきからキスばっかりしてる
舐めて擦って甘噛みして…
唾液が僕たちの口元から零れても気にせず続ける
さっきの飴玉のおかげで、キスは甘くて甘くて蕩けそうだ

うっすらと目を開ければ、霄は真っ赤で、目を閉じたまま夢中に僕と舌を絡めてる
…ワォ…
可愛い……

息継ぎをしようと少し離れる霄の頭を抱き止め、また夢中でキスを続ける
さらさらの髪の毛が手に絡み付いて、不思議と気持ちがいい


するり


手が何か紐に引っ掛かって、紐が落ちる
その時に唇が離れた


『はぁ…。…あ!』


落ちたのは霄の眼帯だった
白い薔薇の刺繍のついたフリルの眼帯…

すぐに拾おうとする霄の手を掴んで、反対の手では顔を僕の方に向かせて、眼帯で隠れていた右目を見つめる


『み、見ないで下さい…。気持ち悪い、ですから…』


霄の目の周りには何か切り裂かれたような跡があって、瞳は赤く濁っていた
光を通さない事はすぐに解った


「……可愛いよ。」

『え。』

「凄く可愛い。僕は好きだよ。」

まだうっすらと傷痕の残る右瞼に口付けると、霄は少しびくりと震えた


「…痛い?」

『…痛く…ないです』


にこりと微笑む霄
やっぱり顔を隠してないほうが凄く可愛い


「可愛い。」

ぎゅっと抱きしめてまた唇にキスを落とす
これ以上幸せな時って無いんじゃないかな




くぅ



『…?』

「……。」


小さく鳴った僕のお腹
それを聞いてくすくす笑う霄
全く…恥ずかしいな


『今日は何をお作りしましょうか?』

「和風ハンバーグ…」

『了解しました!』



にこにこと笑う霄を抱きしめて、今までで初めての幸せを噛み締めた














*****



「………はぁ。」


「……。」
「……。」


「やっぱり山本今日なんかおかしいよね…?」
「そうっすね…。あの野球バカがああいうふうにしてんのは珍しいですよね。うっとーしい」



何だか変だ
いつも誰よりも元気な山本が落ち込んでる…というか悩んでる
…やっぱ野球のことかな
でも最近調子いいって言ってたのに…

まあなんにせよ友達としてやっぱ相談にのってやるべきだよね


「山本、どうしたの?なんか今日暗いけど…」

「おー…ツナか。いや…なんつーか…コイワズライってやつか?」

「えぇ!?」

「ぶーっ!マジかよ!野球バカが恋!?笑っちゃうぜ!」


山本でも恋とかするんだ…
ま、まさか京子ちゃんじゃ…
そしたら俺勝ち目ないじゃん!


「いやさー。今朝校門トコで風紀検査やってただろ?そこにセーラー服の目ぇ隠した子いたじゃん?あの子…すげー可愛いよなー」

「え?霄ちゃん…?」

「ああ、昨日会った奴か」

「え?昨日会ったか?」

「思いっきり会ったじゃねえか!この野球バカ!」

「ああ、着物のかー。服違うから気付かなかったのな」



…霄ちゃん…か…
確かに可愛いかったけどあの人雲雀さんの身内じゃないのかな…
山本大丈夫かなあ…



*****





『くしゅん!』

「霄、大丈夫?風邪かい?」

『…いえ、大丈夫ですよ心配なさらないで下さい』



…またどなたか私の噂でもしていらっしゃるのでしょうか…?















最初キスに力入れまくりました←
まあともかくこれで過去もラブラブ…?
あと、山本出してしまいました
ストレートなので出してみたくて…
需要があるかはわかりませんが、よかったら管理人の趣味に付き合ってやって下さい^^

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あきゅろす。
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