60.もっともっと
さぁ〜て今から女の子と食事行ってデートしてホテルいって〜
楽しみっだなぁ〜
ガララッ
「ん?」
「この子…診て…。」
珍しいこともあるもんだねぇ
暴れん坊主が保健室に…
しかも女の子を連れて!
白いワイシャツ1枚だし生足!
据え膳?
イタリア男として食わないわけには…
「ん…。酷い…な。」
「………。」
たいしたことないなら食う気満々だったけど…
これは酷い…
顔色が…
「すぐに診てやる」
*****
「一種のパニック障害だろうな、それは。」
「…そう…。」
「それに全身痩せ過ぎだ。恐らくまともな食事をとってねぇな。栄養剤入れといた方がいいな。」
「うん…。」
ヤブ医者…
訂正。
保健医は霄の細い腕に、点滴の針を通した
なんだかその姿が痛々しい
「…針の跡がだいぶある。定期的に点滴を受けてたみたいだな。」
「そう…。」
「あ、あとこの娘、自傷癖あるみたいだからお前が気をつけてやれ」
「僕…?」
「ああ。本人も自分を傷付けるのが楽しい訳じゃないんだ…。気にしないようにしてやるんだ。男としてレディに気を使うのは当然だぜ」
……そうだよね…
自分から傷付けて楽しい訳ないよね…
包帯が巻かれた手足を見つめる
よくわかんない子
会ったばかりなのに僕を惑わせる子
その痛んだ心と身体は僕のせいなの?
どうして僕を罵ったりしないでいられるの?
初めてこんなに他人に興味を持った気がする
もっともっとこの子の事が知りたい………
*****
「ん…」
朝?光が差し込んで…
ここは保健室?
あ、そうだ。
僕あのまま寝ちゃったんだった…
霄は…
『すぅ…』
うん。大丈夫そう。
気持ち良さそうに眠ってるし、顔色も悪くない。
…朝…
なら早く準備しなくちゃ…
風紀検査も取り仕切らなきゃダメだしね…
制服の予備…
確かここにあったはず…
「………。」
いいものみつけた
了
えー…と…
シャマルさんのつもりなんですすみません!
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