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52.世界にひとつだけ


…、……


…ねぇ……


何か聞こえます…
聞いた事あるような…でも何か違う感じ…


「ねぇ、そろそろ起きなよ」


『ん…?』


目を開けるとすぐそこには…


『恭弥、様…?』


さらりとした黒髪
綺麗な切れ長の瞳
細い身体…
恭弥様のはずなのに何か違う…


「…様、かい…?まあ悪い気はしないけど僕は君にそんなふうに呼ばれる筋合いはないよ」


『……?』


ゆっくり起き上がってみる
痛みや寒気はなかった。
私はさっき…
気分が悪くなって倒れて、それで…
あれ?じゃあなんで私はこんな所に…?
どうやら室内のようですが、今まで来た事がないような所です…
ソファと机だけのシンプルな部屋…


「ねぇ、聞いてるの?君、何処から入って来たの?不法侵入で咬み殺すよ」


恭弥様が武器…トンファーを構えてしまわれました
今までこんなことなかったのになんで…


『!…あ…あの…。お伺いして宜しいですか?』


「………。何?」


『今お幾つですか…?』


「僕はいつでも自分の好きな年齢だけど?」


『………』


恭弥様です…!
ですがだいぶお若い様子ですね…
制服を着てらっしゃいますし…

どうやら私…
昔の恭弥様にお会いしている様です



「…君、いったいどこの生徒?」

『え…。ええと…その…』


私学校行って無いのですが…


「………埒があかないね。もう待たない。咬み殺す…」


『きゃ!』






ガチッ!




お若い恭弥様が振り下ろしたトンファーが私が服の中につけている先週恭弥様に頂いたネックレスに当たる


「?」

『………』


何故か痛みはなく、ネックレスを取り出してみても壊れてない。


『…よかった…』

ネックレスを手で優しく包んでほお擦りする。
お若い恭弥様はしばらく呆然としていらっしゃったけれど、しばらくして私がほお擦りしていたネックレスを取り上げた


『あ!』


「…ふうん…。なかなかいい品物じゃない…。ん…?」



恭弥様が選んだものですからね、趣味が合うのは当たり前ですよね…
…?
何かお気付きになられたようです

「コレ…なんで僕の名前が…?」

くるりと十字架をひっくり返すとそこには

Kyoya.Hibari

と名前が掘ってあった

そういえば先週…







*****


「これはね、僕が唯一気に入って買ったネックレスなんだ。」

『唯一、ですか?』

「うん。僕は首の周りを拘束されるのが嫌いだからネックレスなんて普通自分から買わないんだよ。」

『そうなのですか…』

「けどこのネックレスは何となく一目見て気に入ったから、すぐに買ってサービスで名前を掘って貰ったんだ。だから世界にひとつだけしかないよ」

『ひとつだけ…』

「うん。だから霄にあげる…」






*****





お若い恭弥様はしばらくネックレスを眺めて…


「………。何か君僕に関係があるみたいだね。」


『あ…ハイ…。』


「じゃあ取り敢えず話だけは聞いてあげるよ」




取り敢えずお話を聞いてもらえるようです
私…どうしてしまったんでしょう…














タイムスリップ編に突入させました
若い雲雀さんとどーしても絡ませたくて!
展開はちゃめちゃで申し訳ありません

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あきゅろす。
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