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41.…ありがとう


「……っ…。殴った…ね、恭君…。…訴えて芸能活動できないようにしてやるから」

殴られてもなおそんなことをいう女に恐怖を通り越して呆れた

「構わないよ。…はやく出てって」


文句をぎゃあぎゃあいう女をつまみ出して、骸に抱かれている霄を取り上げるように抱きしめた



血が

あちらこちらにつく



「……病院…っ…」

















それからすぐに救急車を呼んで治療を受けさせた



骨折が大きいものからヒビまで合わせて十数箇所
全身に打撲、もしくは切り傷
あとは…
右目を切り付けられたらしく隻目となった

との事だった







*****





「僕はね、夢でたまにこういう人間に出会うんです」


病室で眠る霄を横目に骸が話す


「夢?」

「ええ。死にかけの人間であるとかすでに死んだ者とか」


信じられない話だ


「そこで霄ちゃんがあの彼女さんに痛めつけられている様子が出たのでつい…」


「………。」


信じられないその能力
骸のおかげで霄が助かったというのが釈だけど、本当によかった



「骸。」

「なんです?」

「…ありがとう」



骸はおや、というような顔付きで驚いていた




『ん……』


霄が小さく左目を開けた
右目は眼帯で見えない


「霄。」

『…………』


目が合った


『………』


でも、霄はすぐにそっぽを向いた

毛布で顔を隠して背を向けた


正直、

悲しかった



僕のせいでこんなことになった…


拒絶されるのは当たり前、だよね…





虚しい気持ちだけが心に残った













*****




私は死んだんじゃないの…?


こんなぐちゃぐちゃな身体と顔…

死んだ方がマシだったかもしれない



今もずきずきと全身が痛む



それに、あの女の人から言われたコトバ








“アンタは恭君のオモチャでしょ”



“こんな自傷癖の不細工恭君が相手にするわけないじゃない”



“痛いの好きなんでしょ?私が沢山痛くしてあげるから感謝してね”



“恭君はあたし以外に興味ないから。アンタのコト目障りっていってたよ”







…頭の中を支配して離れない





私は今…
死にたいって…思ってる…













ごめんなさい
その一言に尽きます

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