27.分かれ道 『美味しかった…』 もう帰るのかなと少し寂しく感じていたら、恭弥様は私をレストランに連れていって下さいました。 まさに高級です。というようなレストランで、料理も雰囲気もなにもかもが最高の所でした。 多少緊張してしまいましたが、料理が来る度に 「霄が作った方が美味しい。」 と言って下さるのが何だかおかしくて笑ってしまいます。 最近になりようやく拒食症が治る方向に向かっている私は、取り敢えず一人前のコースの7割を食べることができました。 そのことも恭弥様が褒めて下さいました。 ***** 『ごちそうさまでした。今日は本当に楽しかったです』 レストランを出た所で私は恭弥様に御礼を言った。 でも、恭弥様は変な所に顔を背けたまま「うん…」とだけ答えると、どこかに向かって歩き出されました。 慌てて私も後を追い、歩き続けましたが、先程までと違い恭弥様は始終黙ったままで、もちろん私も黙ったままで歩きました。 しばらく歩いた所で恭弥様が立ち止まって私に手を差し出して… 「霄。」 とだけ言って私が手を乗せるのを待っていらっしゃいました。 立ち止まった所 そこは俗に言う… 「ラブホテル」という場所。 私がこの手をとれば… 恭弥様と… 「あれ」をしないといけない… 散々お兄様にされて、ずっと嫌だったコト。 辛くて恥ずかしくて気持ち悪くて惨めで… それに私の身体にはいくつもの傷痕。 本当は誰にも見せたくないもの。 それを見せなくてはいけない。 私にとっては凄く勇気がいることで… でも。 もしもこの手をとらなかったら…? 私は恭弥様を傷付けてしまう…。 私はもう誰も傷付けたくないと誓った。 それに加え。 私は恭弥様と離れたくない、と思った。 ずっと、この時が続けばいい。と確かに感じたのだから。 私は迷わず貴方の大きな手の上に 自分の手を重ねた 了 さて… あははははぁはぁ…← やっと裏までの道筋が立てれました けどまだヒロインちゃんは付き合っている意識はない模様ですね←ぇ [*前へ][次へ#] |