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94.貴方を待っています…



「………。」


『恭弥さん。もうすぐ恭弥さんのお誕生日ですね』

すやすやと安らかに眠り続ける恭弥さんに話し掛け続ける
絶対聞こえているはずだから…

『お誕生日プレゼントは何がいいですかね?またアクセサリーでもいいですけど…。あ、そうです!次も久々ですが私にご馳走を用意させて下さい。恭弥さんのお好きなハンバーグ、いっぱい作りますから…』

「………。」


恭弥さんはぴくりとも反応してくれない
でも、でも絶対に聞こえているし、見えているはず…
そうですよね、恭弥さん…


『……私も…寝ますね。何かあったらすぐ呼んでくださいね』


動かない恭弥さんの額に柔らかく口付けてから自分のベッドに戻った
















それからしばらくたって訪れた恭弥さんのお誕生日には…
私は花と料理、骸さんは十字架のカフスピンをプレゼントしていた
小さくてかわいい十字架で、お洒落だった
骸さんらしい…

私からはいい香のする紫色のラベンダーの鉢植え
恭弥さんもこの香を気に入って下さると思ったのです

そしてお花屋さんで教えて頂いた花言葉は…

『貴方を待っています…』















*****



『ぅー……』

「霄ちゃん、大丈夫ですか?」

『……痛い、です…』


お腹イタイ…
もういつ産まれてもおかしくない時ですからね…
それにしてもこんなに辛いなんて…


『恭弥さ…ん…』

「……。」

相変わらず恭弥さんはすやすやと死人のように眠り続けている

その傍らには私のあげたラベンダーの鉢植えがあった


『…元気で可愛くて賢い赤ちゃん…産みますからね…?』


ぴくりとも動かない恭弥さんに擦り寄って髪を撫でる
長らく眠っているせいか、ぱさぱさとしていた


『…ぁ、痛、イタ…っ…』

「霄ちゃん!?」


私はそのまま陣痛が酷くなり、おまけに破水してしまった

どうしよう…
お産が始まってしまう…















*****




…ここはどこなんだろう

真っ暗だけど、霄の気配は感じられるんだ

何を言ってるかは聞き取れないけど優しく話し掛けてきて、触れてくれる

この前からはいい香
何かの花の香…
ラベンダーかな…?


霄…?
どうしたの?
なんでいきなり苦しみ出したの?

霄?

霄?



「霄っ!?」
















雲雀さんにはちゃんと聞こえていたんですよ

最近後書きに何を書いていいか困ります

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