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I don't know
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こ何日か、洋平はバスケ部の練習を見に来ていない。いつもなら顔出しぐらいには来ていた。
晴子が大楠たちに聞いてきた。
「洋平君、ここんとこ来ないね。どうかしたの」
「さあ、俺らも知らねえんだ」
そうなのと言い、晴子はまたコートに目を移した。
「‥‥洋平‥‥」
晴子たちのほうを見ながら、今日もいない洋平の名を花道は呟いた。
「‥‥っ!!」
おもいっきり後頭部をボールが直撃してきた。花道は頭を押さえながら振り向いた。
「誰だっ!」
「バカもんっ!桜木っ、気合い入れろ」
赤木の喝が飛んできた。
教室では何も言わずにいつも笑顔で接してくる洋平だから、かえって花道も洋平のことは気になっていた。
洋平は時間を持て余していた。
別に用があって、さっさと帰ってるわけではない。
パチンコ屋の前を通りがかった。
「‥‥これじゃ、やべえわな」
制服の短ランの襟を引っ張ってみる。
一旦、家に帰ってから行くことにした。
家のドアを開け、中に入った。
シンと静まっていて今まで人がいなかったことを知らせる。
ピーッとファックスの通信音がした。間もなくしてカタカタと紙を送る音が聞こえてきた。
洋平は居間へ行き、送信してきたそれを切り離して見た。
「‥‥ロンドンね」
興味ないと放ってしまう。
床に落ちたその紙には"父より"とある。
洋平の両親はお互い仕事を持っていてそれなりのポストに就いている。
家にはほとんど帰ってくることがない。こうやってファックスで居場所を知らせてくる程度だ。家にいたとしても一ヶ月のうち一日いれば良いほうだ。
この広い家に洋平は一人で暮らしているようなものだった。
二階の自分の部屋に行き、着替えて家を出た。
もう四台も替えてるのにまだ当たりが一つもなかった。
自分でもなんでなのかはわかっている。
「‥‥どういうつもりなんだっ‥‥」
ブツブツ言ってる間に最後の玉が消えていった。
「‥‥えっ!?‥‥ウソだろ」
洋平はパチンコ台を呆然と見ていた。
「‥‥ちっ、‥‥ついてねえな‥‥」
帰るかと洋平はパチンコ屋を出た。
ポケットからタバコを取り出し吸った。
ふと、流川に強引に連れ込まれた光景が浮かんだ。
「‥‥っ‥‥」
くしゃりと持っていたタバコの箱を潰してしまった。
「ありゃりゃ」
手の中で潰れてしまったそれを捨てるには勿体なくポケットにしまいこんだ。
洋平の横にぴったりと自転車がついて来ている。
無視していた洋平だがいい加減痺れを切らしてその自転車ヤローに顔を上げた。
「いいかげんにっ‥‥」
「やっと顔上げたじゃんかよ」
自転車ヤローは流川だ。
「何か用かよ」
今、もっとも会いたくない奴に会い、洋平は足を速めた。
「通り道」
しれっとして流川は言う。
「だったらさっさと行けよ」
「あんたの家どこ?」
「なんで教えなきゃなんねえんだよ」
洋平は無視して歩いた。
流川は洋平から離れようとしない。
とうとう洋平の家まで着いてきた。
洋平も馬鹿ではないので色々と回り道をしたが策は功を得なかった。
こうなってくると怒る気も失せてきた。
「あんた相当いい根性してるよな。どうする?寄ってく?」
流川は見下ろし、
「俺、またあんたヤッちまうかもしんねえよ」
「そん時はそん時。‥‥で、どうすんのさ」
洋平は門を開けて流川に問いかけた。

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