ガチャッ
「ただいまー…」
「あら、お帰りなさい詩織とお友達さん」
「初めまして…」
ひ、雲雀さんが敬語使っているだと!?
「初めまして、お名前は?」
「h「雲井恭子だよ!」……」
「いい名前ね、夏休みの間よろしく」
「こちらこそ…」
「ささ、あがって下さい雲井さん」
これ以上ボロを出さないうちに自分の部屋にあげてしまおうと考えた私は雲雀さんに呼びかける
「詩織と恭子ちゃん、すぐ夕飯だからちゃんとおりてきなさいよ」
「はいはい」
私は苦笑いしながら雲雀さんをつれて2階にあがった
「疲れた…」
「ちょっと」
「何ですか…?」
「なんで雲井なのさ」
「だって本名言ったらお母さん周りに言い触らしてばれるじゃないですか」
「せめて恭子はやめてよ。呼び方が笹川兄妹の妹の名前と被るでしょ
それにちゃん付けって人生初だよ、こんなに嫌なものはない」
「京子ちゃん可愛いですよね」
「誰もそんな話しとらんわ」
「とりあえずもうお母さんに紹介しちゃったんで☆」
「うざっ」
「じゃあ雲雀さんの部屋どうしましょうか」
「ちょ、話の流れが早過ぎる」
「今から夕飯だしその時に聞いたらいいか」
「……」
「何突っ立ってるんですか。置いていきますよ雲雀さん」
「…もうどうにでもなれ」
──────
───
「「「いただきます」」」
「いただきます…」
「いやぁ、よくきてくれたね。好きなだけ泊まってくれよ雲井さん」
「紹介しますね、私のお父さんです」
「よろしく」
お父さんは笑いながら雲雀さんに話かける
「お母さん、雲井さんの部屋ってどこ?」
「何言ってるのよ
恭子ちゃんは詩織と一緒の部屋に決まってるじゃない
それに空いてる部屋なんてないんだしね」
そう言った瞬間、私と雲雀さんは固まってカタンとお箸を落とした
慌てて拾いお箸を握り直す
「あらあら、そんなに嬉しいの?」
違う…違うよママン……
「なに君のお母さん、馬鹿なの?狙ってるの?(ヒソヒソ」
「天然なんです(ボソッ」
「それと恭子ちゃんは着替え持ってきたのかしら?」
「い、いえ!」
女物の服なんてあるわけないしね……むしろあったら反応に困るよ
「なら少し小さいけど今日だけ詩織のパジャマ借りてちょうだいな
お風呂場にあるしついでに一緒に入ってきなさいよ」
私達はまたお箸を落とした
「女の子同士だからいいでしょ?」
「そ…そうだね。じゃあ一緒に入りましょうか雲井さん…」
「それ本気で言ってんの(ヒソヒソ」
「大丈夫です。考えがありますから(ボソッ」
これ以上何を言われるかわからない、と頭の中で警報がなっている。私達は急いで胃の中にご飯を掻き込み私の部屋にあがった
「ちょっと、お風呂どうするのさ」
「とりあえず私達はお風呂場に行って、それぞれあがるまで目を瞑っておくんですよ、我ながらナイスアイデア」
「どこがだ
スッゴい嫌なんだけど」
「私だって嫌に決まってます
でもこうなった以上仕方ないですよ」
「あぁぁぁ!!!」
「どうしましたか。いきなり大声出して」
「服もだけど……僕学校から直接来たから下着もないじゃん!」
「………何だと」
「ちょ、マジ洒落にならないって」
「……お父さーん!パn「待て待て」」
雲雀は目にも止まらぬ速さで詩織の口を手で塞ぐ
「君は何を考えてつもりなの?
5秒以内に、20文字以内に、簡潔に述べよ」
「お父さんに下着を借りようとしてました」
「ちゃんと出来ててちょっと焦ったじゃん」
「だってそれしか方法がないじゃないですか。店もしまってますし」
「だからって流石に他人の下着は……」
「あ、私の下着がありますよ
ちゃんと新品ですから」
「女性物の下着はもっと嫌だよ
屈辱以外の何物にもないね」
「ハイハイソウデスネ
でも今雲雀さんは立派な女性ですよ。って事でけってー」
「はっ忘れてた」
「さあさあ行きますよ」
「何で君はそんなに冷静なのさ……」
「いやーもう吹っ切れました」
「僕もそこまで吹っ切れたいよ」
そう言いながら嘆いてる雲雀さんの腕を掴んで無理やりお風呂場に連れて行く
ちなみに階段を下りすぐ横にお風呂場がある、最近リフォームしたばかりなので綺麗だから雲雀さんも文句はないハズ
「狭いし汚いね」
「これ以上何を求めろと」
しまった、雲雀さんは純和風の物凄く広い家に住んでいるという噂を聞いてたんだ
でも私からの視点だと普通に綺麗で少し広いお風呂場なんだけどなー
(お金持ちって怖い怖い)
(急にどうしたのさ)
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