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Rider Boy




今私はある男の子を待っている



その男の子に
どうしても聞きたいことがあるから


どうしても知りたいことが―――



だからこうやって私は
公園のベンチに座っている


そして

ゴーグルが
トレードマークの少年を待っている









DEJIMON ADVENTURE No.6

Rider Boy








「え?時雨について??」


少年――八神太一は言った


「別にいーけど…
こう言うのって話してもいいのか?」

困ったように頭をかく
太一

「個人情報は聞いてない?
じゃあ何が知りたいんだよ」

―――………

「性格とかそんなの?
選ばれし子供との関係??
だったらいいぜ!」

太一は少し嬉しそうに言った



「時雨は一言でいえば
『元気なやつ』だな」

太一はうんうんと
ひとり頷く――――

「空が言うには
俺が女になった感じらしい」


「時雨は
『それはイヤだ』とか言うけど
正直俺もちょっと似てるとか
思うんだよな」

はははと照れる太一


「まぁ、それはおいといて…」


時雨の性格はな―――

照れる顔は変わらないまま
話し始めた

「あいつは、活発で
何事にも一生懸命な奴なんだ」

太一の頬がピンクに染まる

「だから、やると言った事は必ずやり遂げるまであきらめないし……」


「俺が言うのもなんだけど、時々ムチャをやったりするんだ。危なっかしい奴なんだよ…時雨は。」



「意外に冷静に物事考えるし」

「言いたい事ははっきり言うし」

「いつもふざけたりするけど
やる時にはやるし」

「ちゃんと人を叱ることができる」

「けじめがあるって言うか、
なんて言うか………」


「あ、でも時々常識なくなるな」


太一はそこまで言って
少し黙る

―――それに

「あいつは
いつも笑ってみんなに元気を与えるんだ」

「夏の冒険のときもそう……」

「みんながもう駄目だって思った時も
あいつだけはいつも笑ってる」


『ダメだって思ったら
本当にダメになるからね!』

――――ってさ

「いわゆる俺たちの
ムードメーカーってことになるのか?」

う〜んと考える

「そうだな!あいつは
ムードメーカーだ!」


――――………


「お俺たちとの関係?」

「時雨は俺の幼馴染だ。」

顔が真っ赤になる太一

「だから、あの夏のサマーキャンプに
誘った」

「1人2人なら友達
呼んでいいって言ってたからな」

「時雨はすぐに空と仲良くなった」

「別に空だけならよかったけどさ……」

「意外に光子郎ともすぐ打ち解けてた………」

なぜか寂しそうに言う太一

「ヤマトとは最初の方はケンカばっかしてたんだよな」

「時雨の前向きなところが
気に食わなかったのかもしれない……」

「だけどいつのまにか
ケンカすることがなくなって
仲良くなってた………」

「ミミちゃんとは普通に仲が良かったな」

「丈のことはなぜか尊敬してた」

「タケルとヒカリの世話もよくしてたから
あの2人ともすげぇ仲いいし」


太一は「はぁ」と溜息をついた


「時雨は真実の紋章の持ち主なんだ」

「紋章を見つけたのは時雨が二番目だった」

「その時さ、時雨みんなに抱きつくんだよ」

「あの時はなんていうか……」

「う〜ん……寂しかったな」



――――………


「時雨の紋章がなんで真実かって?」

「そりゃぁ、あいつがウソつかないからだよ」

きっぱり言った

「冗談とかはもちろん言う」

「だけど時雨は素直な奴だから
ウソは言えないんだ」

「それに、時雨じたい嘘をものすごい嫌ってるしな」

「時雨が嘘を嫌う理由は俺しかしらないんだぜ?」

「それだけはみんな知らないんだ」

太一は微笑んむ



空は綺麗なオレンジ色だった





最後に一つだけ聞いておこう


――――…………


「えぇぇぇえ?!!」


「時雨のことどう思ってるか?!!」

「どーだっていーだろ!!」

焦る太一

顔はさっきよりもものすごい真赤になった

…………。

「おおお幼馴染って思ってる……」

…………。

…………。

……………。

……………。



沈黙





「そそそれより
もう暗くなりそうだから
俺帰らないと………!!!」

はははと笑う太一


そうだね

まだ君は小学生――――


まだまだ時間はたっぷりある

だから言わなくてもいいよ


「時雨のことは
こんくらいでいいだろ??」


うん十分

十分すぎる



「じゃ、また聞きたいことあったら
聞いてくれよ!」


そうするよ


「じゃあ、さようなら!」



そう言うと
太一は駈け出した―――

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あきゅろす。
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