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休日――八神太一




あ、もしもし――


こんにちは


今日時雨は………


あっ、おばあさんの家?


わかりました。はい。


さようならぁ。





―――――受話器を置く



ピンポーン



それと同時になったインターホン


確認しなくても分かる




「太一ぃー!!あーそーぼーっ!!」



それは俺の幼なじみで想い人
―――――時雨









DEJIMON ADVENTURE No.2

休日――八神太一












「よっ、太一!!」


「何しに来たんだよ」

「だから遊びに来たんだって」

ニィッと歯を見せて笑う時雨


「ほら!!ちゃんとお菓子持ってきたし
早く上がらせろ」

「めっ…命令形………」

――このドS人間め


「おじゃましまーす!!」



「時雨ちゃん、いらっしゃい。
久しぶりね」

「おばさんも久しぶりー!!」

「今日もおばあさんの家に来てたの?」

「そーだよっ!!それで暇だったから――」


リビングで母さんと先に行った
時雨が
喋ってるのが聞こえてくる――





時雨は俺と違う
小学校に通っている

もちろん家も離れている

だけど
時雨の
おじいさんとおばあさんの家は
俺んちの近くにあって
しかも時雨の両親は
共働きだ

だからよく
おじいさんとおばあさんの家に
来るらしい


俺的にはかなり
うれしいことなんだよな!!



「お兄ちゃん、顔にやけてる…」

「うわぁっ!!」

―――ヒカリかよ!!

目の前にはいつの間にか
ヒカリがいた


「良かったね。時雨ちゃん
遊びに来てくれて」

「ばっ…バカヤロー…」

自分でも顔が真っ赤になったことが
わかる―――――

「大丈夫だよ。私は友だちと
遊ぶ約束してるから邪魔しない」


ひっ―ヒカリィィィィイイ!!

お前は本当に優しい妹だな……


「なにしてんのー?太一ぃ」

「じゃぁ、行ってきます」

「おう」

頑張って――
ヒカリが小声で俺に言った


「えー!!ヒカリちゃんどっか
行くのー?!!時雨も
ついて行こっかな〜♪」

「お前は俺と遊びに来たんだろ!!」


「行ってきまーす」


「あーあ、ヒカリちゃん行っちゃったぁ」

そんなにヒカリと
遊びたいのかよ


「太一!!何して遊ぶ!!?」


切り替えはやっ



「何するって言われてもなぁ…

そうだっ!!
サッカーとかしに公園行こうぜ」

「賛成っ!!」


「あら、遊びに行くの?」

「うん。ちょっと公園まで行ってくる」

「おばさん。おやつの時間には
もどって来るからこのお菓子
預かっといて!!」

「ええ。いいわよ」


時雨は母さんに
持ってきたお菓子の入った
袋を渡して
玄関に向かった―――




俺の手を引きながら




「早く行こーぜ!!太一!!」


時雨は楽しそうだな…

俺はそれどこれじゃないぜ?
まったく………

今きっと顔真っ赤なんだろうな…


―――玄関が暗くて良かった



「そだっ!!」

「なっ…なんだよ」

「空も誘おーよ!!」


なななな何だって!!?

空ぁぁああ!!?

「そっ…空は何か用事とか
あるんじゃねぇのか?」

「は?お前に分かんの?」

睨んでる…

さっきの時雨はドコ行った!?


「………いっ、いやそーゆうわけじゃ…」

俺はできれば2人で遊びたかった
んだけどな………


「じゃぁ、決まり!!
空とヤマトと光子郎誘おー!!」

「何か増えてねぇか?」


ブチっ―――


「いってぇぇぇえええ!!!」

―――こっ、こいつ今俺の髪の毛を


「たった10本程度抜いただけだろーが」

「バカヤロー…………」

「なんならハゲにしてあげましょうか?」

「俺が悪かった…」

「よろしー!!」

時雨の顔が笑顔になった








時雨がドアを開ける

「うひゃー!!まぶしー!!」

秋風が吹き時雨の髪がなびく――

満面の笑みを浮かべた
時雨―――


髪の毛を抜かれた痛みなんか
もうなかった


そうだな
空もヤマトも光子郎誘おう

―――時雨がそうしたいと
言うんだから




俺はその後ろ姿を見つめながら

サッカーボールを手にし



「じゃ、時雨行こうか!!」





今度は俺が時雨の
手をひいた――――

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あきゅろす。
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