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図書委員長とおれ


なんだか哀しい気分に浸ってると、鈴木がニヤニヤと笑いながら俺の顔を覗き込んできた。それはもう楽しそうに。


「で、結局さ。何でそんなに機嫌がいいわけ?」
「…何でって」


さっきで、もう話は終わったとばかり思ってたから一瞬言葉に詰まってしまう。なんて言い訳をしようか考えていると、中村が拗ねた声音で横から入ってきた。


「そんなのプレイボーイ西花君のことだから、女に決まってんでしょ。お ん な !」


随分な言い草だけど、正直助かったよ中村。内心ホッとしつつ、取り合えずヘラリと曖昧な笑みを浮かべといた。


「ほらな!」
「どうだろうねぇ」


それが肯定だと思ったみたいで、中村の顔が盛大に顰められた。一方の鈴木は何を思ったのか、未だにニヤニヤとした笑みを浮かべていた。そんな鈴木を不思議に思った中村が、口を開こうとした時。


「何やってんの、お前等」


俺の背後から呆れたような声が掛かってきた。
あ、この声は…。


「あ、向井じゃん! ちょっと聞けよ。」


そう言って、中村はさっきのことを話し始める。俺の幼馴染である向井潤こと潤ちゃんは、中村の話をいい所で区切って一言で締めくくったのだった。


「まぁ、優だからな」
「あっれー? なんか酷くない?」


え、どういうことなの。
思わずムッてなって、拗ねた口調で抗議する。


「本当の事だろ? プ レ イ ボ ー イ 君」


妙にプレイボーイの所を強調したなこのやろー。内心でそう思いつつ、反撃。


「あれあれあれー? 男前な潤君も女の子からたぁくさんアタックされるんじゃないかー」


俺の言葉に中村がハッとした顔付きになった。


「向井の馬鹿! 仲間だと信じてたのに!」
「いや、意味分かんねぇし」
「中村、お前と向井じゃ顔のレベルが違うだろ」
「…!」


潤ちゃんの冷静なツッコミと鈴木の遠慮のない言葉に中村は、その場に崩れ落ちる。あらら、潤ちゃんも鈴木も正直者だからなー。


「す、鈴木だって……」


しかし、そこは中村。すぐに顔を勢いよく上げた中村は、何かを言おうとしてすぐに口をつぐむ。

そして俺達三人の顔を順番に見た後、「顔の良い奴なんか…消えちゃえばいいんだあああああ。俺、おうち帰るうううう」と叫びながら、いきなり教室を走り出て行ってしまった。


「あーあ、向井のせいだよ」
「何で俺だけなんだよ。お前もだろ」
「あと、西花もね」


中村の走り去ってしまった教室の扉を見ながら、のんびりと会話する二人に呆れる。


「でもさー、中村も悪い顔ではないと思うんだけどなぁ」


中村は、背は少し低いけど決して悪い顔ではない…と思う。赤茶色の髪色を立たせて、適度に服を崩してる今風の男子高校生だ。

顔はある程度整っているし、気さくな性格は近づきやすく女の子にもそれなりにモテていると思う。というか、実際にモテてるだろうしね。


「確かにそうだけど、お前ら程じゃないだろ?」


鈴木の言葉の意味は分かる。自分の顔に自覚はあるし、潤ちゃんは確かにカッコいい。でも、鈴木もかなりモテると思うんだ。そうジッと顔を見つめてると、鈴木が一つ溜息を溢した。


「取り合えず俺……あの馬鹿回収してくるわ」


鈴木は、めんどくさそうに扉へ向かう。その後ろ姿をボーッと見送ってると、横から潤ちゃんに声を掛けられた。


「ところで、優君?」
「ん?」


横を向くと、キラキラとした笑みを浮かべた潤ちゃんがいましたとさ。









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