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図書委員長とおれ
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「じゃ、いってきまーす!」
「「いってらっしゃーい」」


玄関で靴を履きながら後ろへと元気よくそう言うと、同じような調子で母さんと由樹兄の声が返ってきた。
うーむ、やはり母子だな。
玄関の扉を開ければ、すぐに家の前で欠伸をしている潤ちゃんを見つける。


「潤ちゃん、おはよ!!」
「…ん」


元気良く挨拶をすると、眠そうな顔で短く返される。潤ちゃん、朝に弱いからなぁ。だから、朝はいつもの爽やかさが見えないくらいテンションが低い。そんな潤ちゃんとは対照的に今日の俺のテンションはいつもよりずっと高い。

学校へ行く道のりを肩を並べて、他愛ない話をしながらゆったりとした足取りで歩く。ま、俺が一人で喋ってる状態だったんだけどね。

潤ちゃん、朝あんまり喋ってくんないし。それでも今日の俺は足浮きだってて、テンションが落ちることはない。

学校に着いて、教室に入ると潤ちゃんはふらふらと自分の席へ向かっていった。多分、寝るんだろうな。

そう思って、俺も自分の席へ向かおうと一歩前に踏み出したとき、鈴木が俺を見てることに気がついた。挨拶をしようと、口を開いたんだけど怪訝そうな顔の鈴木に遮られる。


「…何なのその満面の笑み」


鈴木君…朝出会って第一声がそれですか。ていうか、そんなに俺笑ってるかな?


「西花ー、何か良い事でもあった?」
「な い し ょ」


何だか自分が恥ずかしくなってきたので、そう言ってへらりと笑って誤魔化した。


「えー、何それ気になんじゃん」
「気にならなくていいですー」
「へぇ」


意味ありげにニヤニヤする鈴木をどう誤魔化そうか考えてると、タイミング良く先生が来てSHRが始まる。がやがやと騒がしい教室で、俺は思わず小さく呟いた。


「……俺、どんだけ嬉しいの。乙女か」


というか、鈴木もしかして俺が委員長好きなの知ってるの。なんか態度的に知ってそうで怖いわー。

これから気をつけよう。そう決意しながら、何気なく潤ちゃんの方を見てみると腕を枕にして寝ているようだった。…潤ちゃん、毎回思うけど学校来てよく直ぐ眠れるよね。










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