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紅凜学園
修羅場突入!
 


少し前に色々な意味でお世話になった…柿川優羅先輩だ。

濃紺の、スカート丈のやけに短いメイド服を身にまとっている。うっすらと、化粧も施してあるらしい。


…ぉわ…か、可愛い…。

俺なんか、太刀打ちできないくらい…。月とすっぽん、って言葉の典型的な例だと思います。はい。



「オイ、優羅ちゃんだぞっ!」
「ヤベェな、なんか修羅場っぽくね?」
「俺は真白ちゃん派だなー。優羅ちゃんも可愛いけどさ、えげつないって噂じゃん」


周囲はがやがやと浮わついているが、黒翼は俺の手をひいてその喧騒の中から抜け出すように促してきた。



「…いいの?」

「放っとけ」

「え、だけどさ…」


柿川先輩…黒翼に、褒めてほしいんだろうな…。実際、黒翼が柿川先輩のことを褒めたら嫌だけど…柿川先輩の気持ちは、わかるかも…。



「黒翼さま…その子、本当に…婚約者なんですか?みんな…そう噂してます」


俺たちの、繋がれた手を柿川先輩は鋭い目で射るように見やる。

殺気混じりのそれにぴくりと肩を揺らしてしまうと、黒翼が強く手を握ってくれた。


 

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