紅凜学園 ダンスパーティー 「後夜祭は、今から一時間、ダンスパーティーだ。もしかしたら、各一位の二人にも、ダンスを申し込んだら答えてくれるかもな。俺は特に相手もいないし、歓迎するぞ。じゃ、解散」 ルオラさんの放送は、俺の疑問をそのままにぷちりと切られてしまった。呆然としたままではいられないと、放送の内容を噛み砕く。 ダンスパーティー…?後夜祭に、ダンスするの? 待って待って、そんなの踊れない…!申し込まれること十中八九なんてないだろうけど、面白半分でっていう姫色属性の人がいるかもしれないからな…! 「キャーッ!どうしようっ、白凰様に申し込んでみるっ?いいのかなぁ?」 「うそっ、白凰様とダンスできるのっ?!行ってみようよ!」 「帝華様に、エスコートしていただきながら踊りたーいっ」 周りの生徒たちはわいわいと楽しげに騒がしくしているが、俺はそれどころではない。 他の生徒たちとは違って、ダンス経験など全くないのだ。 「あのさ、黒翼は…ダンスって、踊ったことある…よな?」 「まぁ、な。お前は?」 「俺は…ない、よ…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |