紅凜学園 可愛いの定義 「書いたのか?」 「えっ、あ、うん、書けたよっ」 ちょうど黒翼の番号を書けたときに、紙を黒翼に後ろから覗き込まれて、ぴくりと肩を揺らしてしまう。 ほわわ、びっくりした…っ!背後からは、よくないよ!不意討ちは!びっくりも倍になるからね! 「俺…姫色と、黒翼の番号、書いたよ」 黒翼は、誰の番号を書いたのか気になった俺は…俺が書いた番号を教えたら黒翼も教えてくれるかもと、恥ずかしさをしのんで紙を見せる。 黒翼…が、可愛いって思うのは…姫色、とか?や…柿川先輩とか、莉実嬢…なのかな…?だったら…やだ、な…。 「俺も、お前の番号を書いた」 「…え、俺の?」 「ほら」 「…あ…」 黒翼に紙を見せてもらうと、かっこいい、の方は空欄で、可愛い、の方に俺の番号があった。 じわじわと、頬が熱くなっていく。 「な、なんで俺…?」 みんな、俺をからかいすぎだってば…!俺と可愛いって言葉、無縁じゃん…っ。可愛いの定義、どうなってるんだよ?! 「言っただろ、お前は可愛いって」 「…う」 [*前へ][次へ#] [戻る] |