紅凜学園 告げる時 「…え、マジで…?」 月日は流れ、本日、交流会という…俺の一世一代の大イベントは始まるのだが。 …出鼻を挫かれたというか…始まる前に気絶しそうなんですけど…。 「これ、姫色の家の…?」 「うん。寛いでよ」 俺の目の前にある真っ白の車は…誰もが知っているであろう、有名な高級車。 「お邪魔しまーす…」 そわそわしながら、姫色が用意した車内へお邪魔させてもらう。 寛げっていうセリフは、とてもじゃないけど受け止められない。いくら姫色のお言葉でも。 高級車相手に、ほのぼの出来る? 交流会の会場の別荘まで、各自で用意した乗り物で行けっていう…そんな制度のおかげで、こんな状態なわけ。 現地集合なんて、庶民の生徒は困るよ?俺のみだけどね、庶民。 「何か飲む?」 「いや…お構い無く…」 当然のごとく、冷蔵庫が完備されているらしい。そんなのを目にして、借りてきた猫状態で身を竦めている俺。 現地集合だと聞いたとき…うちには車やらヘリやらを用意する余裕なんてあるのか、考えた時に出た答えは…そう、NOでした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |