紅凜学園
二人きりの場所
「この時間になると、やっぱり人いないなー」
朝ご飯というには遅く、昼ご飯ていうには早い時間、食堂へとやって来た。
やはりどこを見渡しても、人は一人もいない。
…授業中だからなぁ…人がいた方がおかしいけど。
生徒会長がサボりを薦めてくるのって、どうなんだ。
誰かいたら、うるさいしね。叫びと罵倒が。姫色様素敵ーだとか、オタク消え失せろーだとか。
だいぶ慣れたけど…罵倒されたら普通はツラいわけです。Mじゃないので。
俺もちょっと目立ってるかもしれないけど、9割は姫色のせいで注目を浴びちゃってるんだよね、いつも。
俺ってば、この学園では有名人なんだ。邪魔者として。それに、姫色は学園の王子様だから。凄い最強タッグだな。
貴公子は青葉先輩で、女王様はルオラさん?王様は……黒翼、で、姫は雫…騎士は快音くん…かな?
俺は…国民?いや…どうにか家臣くらいのポジションにしてください。
「涼、頼まないの?」
「あ…頼む頼むっ!俺、和食っ!」
自分の世界に浸っていた俺は、姫色によって現実に引き戻された。
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