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紅凜学園
接触
 


「…ひゃあっ?!」


涼を探し走り回る姫色が廊下の角を曲がろうとすると、目の前に人が現れた。ぶつかる寸前のところで、姫色は一歩下がり接触を避ける。


驚いて高い声をあげたその人は、姫色よりもいくらか低い身長に、黒い髪。

急に現れた人間に向けて眉をつりあげるも、相手が姫色だとわかると頬を赤く染めた。



「…え、浅黄さ、ま…?」

「…柿川先輩…」


そう、その人こそ、柿川優羅だった。


ぱちり、と驚きにまばたきを繰り返す柿川に姫色は一瞬だけ表情を歪めたが、それは気付かれないくらいのもので。

すぐに、表情をいつも生徒に向ける笑顔に切り換えた。誰もが惚れ惚れするような、笑顔へと。



「…こんにちは、先輩。いくら今の時間に出歩く人が少なくても、一人でいるなんて危ないですよ?こんなところでどうしたんです?」


あくまで優しく、諭すように姫色は話す。

その質問に、頬を赤くしていた柿川は困ったような顔をして姫色を見上げた。



「え、と…ちょっと…。ごめんなさい、なんでもないんです。すぐに部屋に戻りますから…」


 

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あきゅろす。
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