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紅凜学園
計画的犯行
 


お前はどこの彼女だ、ってようなセリフを言わせてもらうけどね、その用事と息子の、どっちが大事なんだよ母さんは!この一大事に、俺を一人にするなんて!



「もちろん。涼くんは、責任を持って送らせていただきますから」

「そうですよ、美雨(みう)さん!私たちに任せてください!」


いきなりの失礼な提案も、お二人は嫌な顔一つしないで受け入れてくださる。どうやら、母さんのことを名前呼びするくらいには、既に仲が良いらしい。

双方の両親の仲が良いのは、家庭円満の秘訣かもしれないが、むしろ今回は険悪でもいいと思う。和気あいあいとした雰囲気なんて、いらないんだよ…。


だいたい…母さんが俺を一人にする理由って、どうせこれからデートするからだろ?!

母さんは…俺が小さい頃に父さんが亡くなってからは、若い男とデートしたり旅行したり、そんな生活だからな。


実は母さんは、大財閥のお嬢様だったりする。女性でありながら、実家の財閥の次期総帥なのだ。

実家の経営する会社で重要なポストに就いていて、女手一つで俺や妹を育ててくれたんだけど、父さんが亡くなってから遊びの面に関してはとても自由で。


とりあえず…俺のことより、母さんが結婚相手を探せって話だろ。まだ若いんだから。いいじゃん、再婚。だから、俺の話はなかったことにしようよ!母さんの縁談を進めよう!



「涼くん、私たちと三人になるが、大丈夫かい?」

「あっ、はい!でもご迷惑じゃ…」

「私たちは家族でしょう?当たり前よ」


お二人…誓治さんと英理さんの上品な微笑みに、セレブさんは微笑みさえも優雅なのだと、冷静にも少し感心した。今はそんな、新しい発見をしているような場合ではないというのに。俺も意外と肝が据わってるな。


って…家族気分?!いいの?!息子さんが俺と婚約なんて、いいの?!俺ですよ?あまり良くないと思う!我ながら!


でも…ここは、お二人の好意に甘えるとしよう…。

黒翼さんの家の車がないと、帰れないんだよな。ここに来るまでに、一時間くらいはかかったからね。母さんが俺を家に送ってくれたらいいのに…先に一人で戦線離脱するなんて!最後まで責任を持って面倒みてくれよ!


 

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あきゅろす。
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