紅凜学園
この時がやってきた
変装のこととかメガネのこととか、姿を変えていたこととか、変装のこととか。まぁつまり、変装のこと、だよな。
どう説明しようかは考えてなかったけど、今日話すつもりだったから、ちょうどいいと言えばちょうどいい…かも?
…はぁ、緊張する…。黒翼、怒ってるし…うぅ…。
「…えっと…じゃあ…話す、よ…」
ちらりと上目で黒翼を見て、俯いた。
受け入れろなんて言えない…けど、拒絶だけはされたくない…。それも我が儘だろうけど…。
胸の辺りのシャツをぎゅっと掴み…小さく深呼吸をして、決心をつけた。
「えっと…わかったと思うけど…」
もう、この格好で誤魔化せるとは思ってない。俺の嘘は、バレてしまったのだ…。
「俺、も…真白も、本当は…王庄司涼で…」
オタクの変装をして編入してきた俺も、族潰しとして戦った俺も、黒翼の婚約者としての俺も…。
「今までずっと…嘘ついてて…ごめん。ごめん、なさい…」
俯いていたかったけれど、黒翼の顔を見て言葉を紡いでいく。
何回でも、謝るから…俺のこと、嫌いにならないで…。
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