紅凜学園
裏の会話
「あれー、お早いですね」
姫色が、その部屋…地下の倉庫へ辿り着くと…探していた涼の他に、それを助けた人物と、床には五人の屍が。
うち三人は軽傷だが、二人は完膚なきまでに叩きのめされているようで…それは、目の前にいる男の仕業だろうと推測出来る。おそらく、他三人は涼が倒したのだろう。
「浅黄…」
「どーも、先輩」
しゃがみこみ、倒れている涼の体を支える人物…黒翼が、僅かに眉をひそめた。姫色は掴み所のない笑顔を浮かべ、扉から動かず二人を見ている。
「涼…なんとか無事みたいですね」
頬や見える部分にもケガをしている上、はだけたシャツが見えたが最悪の事態にはなっていないようだ。
ただ、眼鏡が落ちていて…顔がさらけ出されている。しかし、それは今の状況からすれば大したことではない。
姫色は安心からのため息をはいて、今度は眉を下げて力なく笑った。
「これが実行犯ですか。先輩も容赦ないなぁ」
涼の顔はさらけだされているのだ、黒翼も涼のことを色々と察しただろう。姫色は、からかうように目で屍を差す。
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