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紅凜学園
クラスでの評判は
 


「た…貴世涼です。…よろしく、お願いします…」


只今、教室にて、自己紹介をしている真っ最中の涼です。こんにちは。緊張して、心臓がショート寸前です。生命の存続が危ぶまれてます。


姫色に、夢から起こされたあの後、なんとか始業時間には間に合ったのだけれど。

廊下を歩く度に、オタク野郎!と罵声を浴びながらも職員室まで姫色に案内してもらって。学園に来てから百発百中で出会う、例に漏れない美形担任に会って、教室まで連れて来られて。そして、どきどきわくわくしながら、教室に入ったというのに…。



「なに、アイツ。オタク?キモくない?」
「キモいよね!イケメンを期待して、ばっちり化粧してきたのに!ムダになっちゃった!」
「アイツ、浅黄様や青葉様と一緒にいたらしいよ!なんて身の程しらずなの!」
「は?ありえない!僕の青葉様に近づくなんてっ」


クラスメイトは、隠すことなく俺への不満をぶちまけている。5割が俺の冴えない容姿のことで、あとの5割が、姫色と青葉先輩なんていう美形たちと近づいたことに対してだね。フィフティフィフティで!


俺がもう少し繊細な心の持ち主だったら、今ごろ泣き崩れてたよ?!俺が図太くて良かったねみんな!



「まぁまぁ。貴世くんは編入したばかりで大変なんだから、そんな言い方をしちゃダメだよ?それに俺、煩いのは嫌いだな」


編入初日から、嫌われたものだ。としんみりしていたところで、俺を擁護しているんだかしていないんだかわからない発言をしたのは、クラスどころか学園のボス、姫色様。姫色が発言したお陰で、俺への暴言はおさまった、けど。



「浅黄様…っ!なんてお優しいの!!」
「素敵ですっ!あんなオタクにまでお優しくするなんて…!!」
「僕も守られたいっ!」


えー…。反応おかしくない?

今のは姫色が素敵っていうか…俺が可哀想、っていうシーンだから!目を覚まして!


姫色が、最後の方に本音をもらしていたのは聞いていなかったのかな。ずいぶんと自分本意な本音だったと思うんだけど。

姫色の口から発せられる言葉であれば、それがどんな言葉であっても神のお告げみたいに捉えられているのかも。神聖で尊いお言葉に。


 

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あきゅろす。
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