紅凜学園 参加することに意義がある 確かに…楽しいからね。出店の食べ物を全て制覇したりとか、金魚すくいでたくさん救いすぎて店の人に泣かれたりとか。 「せっかくだから、行かなくちゃ損だよ?」 「…そうか?」 「可愛い格好もしてることだし」 「浴衣は、可愛いけどさ…着てるの俺だぞ?」 果たしてそうなのだろうか…と、頭の中を整理してみる。 いやいや、待て待て、この格好でうろつくことこそ損なような…。俺の趣味が疑われるぞ…。 「涼が、夏祭りに行きたいって言ったんじゃない」 「言ったけど、だけど…」 夏祭りに行きたいのと女装をさらしたくないので、脳内では葛藤が起こっている。 祭りは行きたいよ。でも…さ、こういう形じゃないんだ…! まぁ…髪は黒いし、黒いカラコンもしてるからばったり知ってる奴と遭遇しても大丈夫かな?オレンジと青の印象が強いと思うんだ、俺に対して。 あ、残念ながら眼鏡はかしてくれなかったんです。 「大丈夫大丈夫。行くでしょ」 「…はい」 楽しそうに笑う姫色に、もはや抵抗する手段など残されてはいないのだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |