紅凜学園 勝負になりません 「着替えましたけどー」 俺の声は、遮られた。それも、俺のよく知っている、でも想像もしていなかった人物によって。 「え…」 え?あれ? 声のする方にいたのは、俺の大親友…生徒に大人気のあのお方だった。 「……姫色?」 なぜ、どうして姫色が?!とりあえず、ゆっくり最初から説明して!…ていうか、姫色に女装姿を見られた…っ! 「浅黄くんっ、素敵よ!」 英理さんがそう発するのも当たり前だ。姫色も、浴衣を身にまとっているのだから。 塔鶯さんに見せてあげたいものです。そんなことをしたら大惨事か。 「やだなー、涼には負けますよー」 「二人共よく似合ってるよ」 姫色のよくわからない謙遜に、誓治さんのフォローが入る。 誓治さーん、そんな見え透いた嘘はつかなくてもいいです!無理しないで下さい!姫色と俺なら俺の完敗…や、同じ土俵にも上がれませんよっ。 どこにでもいる、エトセトラが俺です。どっかで見たような気がするんだよなぁー…というようなヤツこそが! 「な、何で姫色まで…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |